AIFF

AIFF（Audio Interchange File Format）は、Appleによって開発された音声ファイルフォーマットです。主にMacintoshやAmigaといったプラットフォームで利用され、ファイル拡張子には.aiff、.aif、.aifc、.afcなどが用いられます。これらの拡張子から、読み方としては「エーアイエフエフ」や「エーアイエフ」が一般的ですが、日本国内では「アイフ」と略されることもあります。

形式

AIFFはコンテナフォーマットの一種として分類されます。一般的には、非圧縮のリニアPCMサンプリングデータを格納するためのフォーマットとして広く認識されていますが、実際には圧縮された音声データも記録することが可能です。非可逆圧縮方式を利用した場合は、ファイルの拡張子が.aifc（英語ではAIFF-Compression）となります。

AIFFのデータ形式は、RIFF（Resource Interchange File Format）と類似しています。これは、RIFFとAIFFの両方が、IFF（Interchange File Format）という形式を基に開発されたためです。データ構造は、4バイトのチャンク名、4バイトのチャンク長（ビッグエンディアン形式）、そしてデータ本体から構成されます。

格納可能な形式

AIFFには、以下のような形式のデータを格納できます。

リニアPCM
Apple IIGS ACE（Audio Compression/Expansion）
ACE 2 to 1
ACE 8 to 3
Macintosh ACE
MACE 3 to 1
MACE 6 to 1

これらの形式の中でも、特にリニアPCMが最も一般的な形式として利用されています。ACEやMACEはApple独自の圧縮・伸張技術であり、これらを用いることでファイルサイズを小さくすることができます。

関連項目

Interchange File Format (IFF)：エレクトロニック・アーツが1985年に開発したファイルフォーマットで、AIFFの基となったとされています。
Apple Lossless：Appleが開発した可逆圧縮音声フォーマットです。AIFFとは異なり、データ圧縮時に情報の損失がないため、元の音質を完全に復元できます。
WAV：特にWindows環境で広く利用される音声データ用のコンテナフォーマットです。AIFFと同様にリニアPCMデータを格納できますが、Windows環境での互換性が高い点が特徴です。

AIFFは、その柔軟性から様々な環境で利用されてきましたが、近年では他の音声ファイルフォーマットも多く利用されています。しかし、その構造や形式は、他のフォーマットを理解する上で重要な基礎となる知識と言えるでしょう。

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