AIM-47 (ミサイル)

AIM-47ファルコン

AIM-47ファルコン（英: Falcon）は、1958年にヒューズによって開発された空対空ミサイルであり、その前身であるAIM-4ファルコンの既存技術を基に長射程化されました。このミサイルは当初、GAR-9という名称で知られ、新世代の火器管制システムAN/ASG-18と組み合わされ、XF-108 レイピア迎撃戦闘機を武装することが主な目的でした。

開発の背景

GAR-9はアメリカ空軍のLRI-X要求を満たすために開発された兵器システムの一部であり、元々は火器管制システムがXY-1、ミサイルがGAR-Xという名称で呼ばれていました。このミサイルは高性能炸薬弾頭または核弾頭を搭載できる能力を持つことが計画されていました。1958年4月には、正式に名称がAN/ASG-18とGAR-9に決定されました。

当初選定されたXF-108は、飛行機としての実機が存在しなかったため、ミサイルシステムの試験には他の機体の使用が必要となりました。最初はXF-103が検討されましたが実現せず、最終的にはB-58ハスラー爆撃機からの試射が行われることになりました。地上発射は1961年8月、改修されたB-58からの空中発射は1962年5月から始まりました。

名称と進化

F-108開発は1959年に中止されましたが、AN/ASG-18とGAR-9の開発は続行され、1962年の名称整理に伴ってGAR-9はAIM-47と名付けられました。F-108の中止により、ミサイルシステムはロッキード社が開発していたYF-12迎撃戦闘機に搭載されることが決定され、これに適応する形でAIM-47Bが開発されました。

YF-12A試作機では、AIM-47が合計13回の試射を行い、そのうち12回が的中しました。最後の試射では、マッハ3.2の速度で飛行中のYF-12からQB-47標的ドローンに向けて発射されました。最終的に、ヒューズは約80発のAIM-47を量産に至りましたが、その後の技術はアメリカ海軍のAIM-54フェニックスの開発にない影響を与えました。

性能と特徴

AIM-47は、当初は液体燃料ロケットエンジンを用いて推進される予定でしたが、その後の設計変更により、マッハ6での飛行が可能なエアロジェット・ジェネラルXM59固体燃料ロケットエンジンへの搭載が計画されました。しかし、最終的にはXM59エンジンの問題が発生し、結果的にマッハ4で加速するロッキード製の固体燃料ロケットモーターに変更されました。

こうした変更を経て、AIM-47の最大射程は160kmにまで達しました。このミサイルはセミアクティブ・レーダー誘導方式を採用しており、発射後に指定された目標に向かい飛行します。また、116kmの距離で9.3m²の目標をロックオンできるシーカーヘッドを備えていましたが、終末誘導段階での精度に課題があったため、より高度なデュアル・シーカーの開発も検討されました。

仕様

• - XAIM-47A

- 全長：3.82m
- 翼幅：83.8cm
- 直径：34.3cm
- 発射重量：371kg
- 速度：M4
- 射程：160+km
- 弾頭：45kg高性能炸薬

• - AIM-47B

- 全長：3.82m
- 翼幅：83.8cm
- 直径：33.0cm
- 発射重量：363kg
- 速度：M4
- 射程：160+km
- 弾頭：45kg高性能炸薬

AIM-47ファルコンは、その高い性能と技術革新により、空対空ミサイルの発展において重要な役割を果たしました。

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