AK-630

AK-630艦載機関砲システム

AK-630はソビエト連邦によって設計された艦載機関砲システムで、対空防御を主な目的とし、特に対艦ミサイルに対して効果を発揮します。このシステムは、30mmの口径を持つ6砲身のガトリング砲を搭載しており、全自動で動作します。密閉型の自動操縦砲座に装備され、レーダーや光学的な指揮装置によって制御される点が特長です。

概要

AK-630は、非常にコンパクトな設計であり、弾倉は艦艇の甲板下に設置されています。制御装置は別の場所に配置されているため、艦の設計においてスペースの効率が高められています。アクティブな防空を行うために設計されており、近距離の空中目標に対して極めて高い射撃速度を持ち、対応力を向上させています。

このシステムは、AK-630Mという改良型へと進化を遂げ、さらにはAK-306やAK-630M1-2といった派生型も開発されています。これらの改良型は、運用中に発見された様々な課題を克服するために設計されています。

発展と仕様

AK-630の開発は1963年に始まり、1964年には初のプロトタイプが完成。その後、1976年までに実艦への搭載と運用試験を経て、正式に使用可能となりました。AK-630Mはその配備が進む中で問題点が露呈し、それを修正する形で1979年に導入されたものです。

特にAK-306は小型艦艇向けに設計され、電動駆動システムに改良されたバージョンです。一方で、AK-630M1-2は縦型の2銃身を採用し、新たな形での反空防御を目指しましたが、最終的には別途優先されたシステムの影響で、開発は限られたものとなりました。

レーダーと追尾装置

AK-630のレーダーは、MP-123という名称で知られ、1基で2基の砲座を制御できる機能を持っています。最大で4〜5キロの距離感知能力を持ち、適用範囲は広いです。さらに、SP-521という光学式追尾装置は、MiG-21相当の航空機を7キロから感知可能です。これにより、高精度な追尾が可能で、電波妨害に対する抵抗力も強いです。

世界における展開

AK-630は、ソ連海軍の艦艇に広く装備されましたが、現在もロシア海軍を中心に多くの艦艇で使用されています。また、中国でも独自のAK-630を改良したバージョンが生産されており、現代の海戦環境で重要な役割を果たしています。

多様な敵に対する高効率の防御手段としてのAK-630は、過去から現在に至るまで様々な形で進化し続け、戦闘システムの核心に位置付けられています。強力な射撃能力と高い自動化機能は、今後の海軍戦略にも貢献することでしょう。

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