「AL-MAUJ (アルマージ)」
中森明菜の楽曲「AL-MAUJ(アルマージ)」は、
1988年1月27日に日本の音楽界に登場し、彼女の20枚目の
シングルとしてリリースされました。この楽曲は、ワーナー・パイオニア(現
ワーナーミュージック・ジャパン)から発売され、
シングル盤L-1756として広く知られています。
背景
「AL-MAUJ」は
シングルレコードとしてリリースされた際、特に注目される点として、
中森明菜の全アナログ
シングルの中で唯一のハードジャケット仕様が挙げられます。発売された後も、
1988年2月25日にはCD
シングルとして、12月21日にはカセット版も登場しました。ジャケットの
撮影は美しい
ギリシャのミコノス島で行われ、ビジュアル的な魅力も相まって話題を呼んでいます。
この楽曲は、
大津あきらが
作詞をつとめ、佐藤隆が
作曲を担当し、
武部聡志が編曲を行っています。もともとこの曲は、佐藤によって
中森明菜の
シングルを意識して作成されましたが、一度はコンペに落選しました。その後、同曲は1987年にリリースされたアルバム『水の中の太陽』に収録され、歌詞を男性視点に変更し「デラシネ」というタイトルで発表されました。それでも同楽曲の運命は変わり、改めて
シングルとして中森によって採用されることになります。
「AL-MAUJ」というタイトルは
アラビア語で「波」を意味し、中森は
音楽番組『
ザ・ベストテン』の中で、これに加えて「深い愛」などの意味も持つと解説しました。パフォーマンス時には、特製のマイクスタンドにアラビア風の衣装を着用し、視覚的にも印象的な演出をしました。
また、
シングルのB面には「薔薇一夜」が収録されており、こちらも大津による
作詞、
鈴木キサブローによる
作曲という組み合わせのスロー・
バラードです。この楽曲も多くの
音楽番組で披露され、人気を博しました。
批評
音楽評論家、堤昌司は「AL-MAUJ」について、「明菜のヴォーカルは、ワン・フレーズの終わりごとに強くかけられたヴィブラートや、中低音の響かせ方など、サウンドとしてのヴォーカルというテーマを力強さを前面に打ち出して試みている」と評価しています。
チャート成績
本楽曲は『
ザ・ベストテン』で3週連続で1位を獲得し、オリコン週間
シングルランキングでも初登場から2週連続で1位を記録しました。オリコンの年間
シングルチャートでは、14位にランクインし、
1988年度のヒット曲の一つとして、多くのリスナーに愛されました。
収録曲
規格
- - 1998年11月26日: 12cmCD (WPC6-8677)
- - 2008年11月12日: デジタル・ダウンロード
- - 2014年6月18日: 12cmCD (Singles Box 1982-1991の一枚として)
この楽曲は今でも多くのファンに親しまれており、その影響力は色あせることなく、時代を超えて歌い継がれています。