ALL COVERS BEST

コブクロ、初のカバーアルバム『ALL COVERS BEST』：40万枚限定リリースの軌跡

2010年8月25日、コブクロは満を持して初のカバーアルバム『ALL COVERS BEST』をリリースしました。40万枚という限定生産、そしてワーナーミュージック・ジャパン創業40周年を記念したこのアルバムは、多くのファンにとって特別な一枚となりました。

長年、ライブやテレビ出演で披露されてきたカバー楽曲の数々。その人気の高さを背景に、ファンの間ではカバーアルバムのリリースを望む声が絶えませんでした。本作は、まさにその声に応えるかたちで制作された、待望のアルバムです。

CD2枚組というボリューム感も魅力の一つ。さらに、ジャケットデザインと特典内容が異なる限定盤Aと限定盤Bが、それぞれ20万枚ずつ発売され、計40万枚という数量限定で販売されました。ジャケットデザインは、2006年にリリースされたベストアルバム『ALL SINGLES BEST』と同様に、コブクロの歩みを象徴するような足跡のデザインが採用されています。

収録されている楽曲は、数々の名曲カバーで構成されており、コブクロならではの解釈とアレンジが加えられています。これらの楽曲一つ一つに、彼らの音楽に対する情熱と、長年のキャリアで培ってきた表現力が凝縮されていると言えるでしょう。

特筆すべきは、アルバム収録曲の中に、タイアップ楽曲が含まれている点です。中でも、7月スタートの毎日放送・TBS系ドラマ『土俵ガール!』の主題歌となった「いつまでも変わらぬ愛を」は、多くの視聴者の心に響き渡りました。また、挿入歌として、アルバム収録曲がランダムで使用され、ドラマの世界観をさらに豊かに彩っています。

さらに、「Layla」は、ペプシネックスのCMソングとして起用され、コブクロ自身もCMに出演。この楽曲は、2010年3月17日に先行して配信限定シングルとしてもリリースされ、アルバム発売への期待感を高めました。

『ALL COVERS BEST』は、リリースと同時に大きな話題となり、オリコンアルバムランキングで1位を獲得。さらに、『NAMELESS WORLD』から5作連続の1位という快挙を達成し、カバーアルバムとしては歴代1位の初動売上を記録しました。これは、コブクロの人気を改めて証明する結果となりました。

限定盤には、それぞれ魅力的な特典が用意されていました。限定盤Aには、メンバー二人のミニフィギュアマスコットが、限定盤Bには、メンバー二人のイラスト入りギターピック2個が付属していました。これらの特典も、アルバムの価値を高める要素となっています。

ただし、iTunes StoreなどのPC配信サイトでは、DISC1の1曲目「奇跡の地球」のみが配信対象外となっていました。これは、配信における権利処理などの都合によるものでしょう。

『ALL COVERS BEST』は、単なるカバーアルバムに留まらず、コブクロの音楽性とキャリアを凝縮した、まさに集大成と言える作品となりました。限定生産という希少性も相まって、多くのファンにとって、特別な存在感を放つ作品と言えるでしょう。

アルバムの演奏陣も豪華です。小渕健太郎、黒田俊介両名に加え、数多くのミュージシャンが参加し、それぞれの楽曲に深みと奥行きを与えています。ストリングスアレンジは藤井理央氏、演奏には弦一徹氏など、多くのベテラン音楽家も参加しており、その高い演奏技術と表現力によって、アルバムのクオリティはさらに向上しました。

こうして、数々の楽曲、豪華な演奏陣、そして限定生産という希少性によって、『ALL COVERS BEST』は、コブクロの歴史に刻まれた、記念碑的なカバーアルバムとして記憶されています。

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