ALWAYS 三丁目の夕日'64

『ALWAYS 三丁目の夕日'64』は、漫画家の西岸良平による作品をもとにした映画で、2012年1月21日に公開されました。監督は山崎貴が務め、高度経済成長期の東京を舞台に、家族や人々の心温まる物語が描かれています。本作は、シリーズ第3作目の位置づけであり、3D技術を活用した初の作品でもあります。

物語は、1964年に開催された東京オリンピックを背景に、夕日町三丁目の住人たちの日常を描写しています。主人公、茶川竜之介は小説家志望で、東京大学を目指す息子・淳之介と、身重の妻・ヒロミと一緒に暮らしています。茶川は児童雑誌に連載をしているものの、人気を急速に観客に奪われ苦境に立たされており、妻ヒロミは居酒屋を切り盛りして家計を支えながら、彼を支え続けています。

一方、茶川の隣には自動車修理工場を営む鈴木則文とその家族がいます。則文は将来の展望を描きながら、時には反抗期の息子・一平や、住み込みの従業員六子との人間関係に悩む日々を送っています。六子は、ある医師と出会うことによって新たな恋の予感が芽生えていきます。

茶川は、20年前に家族から勘当された父の危篤との連絡を受け、葬儀に向かう途中でヒロミに思いを語ります。彼は小説家としての道を選んだ背景に、父の影響を感じ取りながら、その苦悩を打ち明けることになります。物語が進む中で、各キャラクターはそれぞれの夢や現実と向き合い成長していく姿が描かれ、時には温かく時には切ない思いが交錯します。

本作は公開初日から高い興行成績を記録し、全国473スクリーンで上映されました。初日2日間で5億5千万円を超える興収を挙げ、動員数も42万人を超え、観客動員ランキングでは初登場第1位に輝くなどの快挙を成し遂げました。その後も高い勢いで興行を続け、20億円を超える総興収を記録しました。

また、作品の中で特に注目されたのが、助演男優賞を受賞した森山未來の演技です。その他、VFX技術を駆使したカットや、美しい映像美も話題となり、視覚的に楽しませてくれる要素も多く含まれています。

ハートフルな人間ドラマと共に、当時の昭和39年における日本の様子をもう一度見つめ直し、その時代に生きる人々の希望や夢を共有させてくれる『ALWAYS 三丁目の夕日'64』。この映画を通して、観客は過去の記憶や心温まる人情物語に触れることができ、多くの感動を持ち帰ることでしょう。

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