AMAスーパークロス

AMAスーパークロス選手権

AMAスーパークロス選手権（AMA Supercross Championship、略称:AMA SX）は、アメリカの都市を舞台に開催されるスタジアム型のモトクロス全米選手権です。この選手権は、モンスターエナジーが主催するタイトルスポンサーのもと、毎年1月から5月の期間にわたり行われます。

コースの特徴

スーパークロスは、スタジアム内に運ばれた大量の土砂を用いて人工的に作られたコースで行われます。その周回距離は約1分程度で、コース設計には独特のショーアップ要素が取り入れられています。大規模な3連ジャンプやウォッシュボードセクション、リズムセクションなど、一般的なモトクロスとは異なるスリリングな要素が特徴です。

出場するマシンは基本的にAMAモトクロスでも使用されるものと同様ですが、スーパークロスではサスペンションのセッティングが硬めに調整される傾向があります。プロトタイプマシンに関しては、通常は出走が禁止されていますが、市販化を前提としAMAへ事前申請を行った場合に限り特例として1シーズンのみ参加許可されることもあります。この特例を利用して成功を収めたのは、1997年のラスベガスで勝利したダグ・ヘンリーのみです。

エンジンの競争

1990年代後半からAMAモトクロスでは4ストロークエンジンの性能向上が認められるようになりました。しかし、スーパークロス独自のコース特性により、2000年代半ばまで2ストロークエンジンが人気を博しました。

スーパークロス選手権はAMAが主催するイベントであり、2003年から2007年にかけてFIMスーパークロス世界選手権と併催されていました。その後、2008年から2021年までの間は完全に同じカレンダーで開催され、FIM世界選手権とAMAスーパークロスが一体化される形で行われました。

また、AMAモトクロスは5月から8月にかけて開催されるため、スーパークロスと日程が異なり、選手は両方に参加することが可能です。これにより、モトクロス世界選手権や日本の全日本モトクロス選手権に出場しているライダーがトレーニングの一環としてスーパークロスに参戦するケースも見られます。

新たな試み

2023年9月からは、AMAスーパークロスとAMAモトクロスの上位者による「AMAスーパーモトクロス選手権」（SMX）が新たに始まり、選手たちにさらなる競争の場を提供しています。

クラスとポイント制度

450ccクラス

450ccクラス（旧スーパークロス）は、4ストローク450ccまたは2ストローク250ccのマシンを使用するメインクラスであり、全米選手権として位置付けられています。

250ccクラス

250ccクラス（旧スーパークロスライツ）は、4ストローク250ccまたは2ストローク125ccのマシンで構成され、東地区と西地区に分かれて競技が行われ、最終戦では両地区のトップライダーが対決します。

ポイント制度も設定されており、1位から20位までのライダーにポイントが与えられ、最も多くポイントを獲得した選手がポイントリーダーとして赤い背景のゼッケンを使用します。

歴史と展望

スーパークロスの創設者であるマイケル・グッドウィンは、レースプロモーターとしてこの選手権を成功に導いた一方で、1988年に起こったミッキー・トンプソン夫妻の射殺事件の背景に関与していたとして有罪判決を受けました。この事件は、選手権の歴史に暗い影を落とし、様々な影響を与えました。

結論

AMAスーパークロス選手権は、アメリカにおけるモトクロスの重要なイベントであり、技術の革新とエンターテインメント性を兼ね備えた魅力的な競技です。即戦力を求められるスリル溢れるレースが行われる中、選手たちの競争意識とファンの期待が高まっています。

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