AMTハードボーラー

AMTハードボーラー

AMTハードボーラー（英: AMT Hardballer）は、アルカディア・マシン・アンド・ツール社（AMT）によって製造された、.45口径の自動式拳銃です。この銃は、M1911“コルト・ガバメント”（民間向けモデルのコルトMk.IV SERIES 70 / 80）の射撃競技仕様モデルである“ゴールドカップナショナルマッチ”のクローンとして設計されました。ハードボーラーの名称は、弾薬に関する特性から付けられたもので、特にラウンドノーズ型弾頭以外に不向きであったことから想起されます。

特徴とデザイン

ハードボーラーは、M1911のデザインを基本にしながらも、いくつかの改良が加えられています。スライドとフレームには初めてステンレススチールが使用され、耐久性と美観が向上しています。内部機構はオリジナルに忠実ですが、特にゴールドカップナショナルマッチを意識した仕様になっています。これには、ラバーグリップで覆われたグリップフレーム、鋸歯状のスライドリブ、縦型スリット入りのトリガー、ラウンドハンマー、ローディング・インジケーター、アジャスタブル・リアサイトなどが含まれます。

また、ハードボーラーは後に設計の欠点であるフィーディングランプに対する修正が加えられ、大幅に性能が改善されました。

歴史的背景

AMT社は、後に経営破綻を迎え、製品の権利はカリフォルニア州のアーウィンデール・アームズ・インコーポレーテッド（IAI）に移転されました。その後、1998年にはガレナ・インダストリーズがIAIを買収し、権利がさらに移行しました。結果として、ハードボーラーシリーズの一部はガレナ社からAMTブランド名で再販されることになります。この再販モデルでは、マガジンウェルの形状が若干異なり、グリップセーフティの後端が延長されているのが特徴です。

型番とモデル

ハードボーラーには様々な型が存在します。代表的なモデルとして:

• - ハードボーラー: 5インチのスライドとバレルを持ち、7発装弾。
• - ロングスライド: 7インチのバレルを備え、装弾数は7発。
• - コンバットガバメント: M1911の部品に基づいたモデルで、当初は廉価版として計画されました。
• - スキッパー: 4インチのバレルを持つ短縮モデル。
• - コマンドー: .40S&W弾を使用し、5/4インチモデル。
• - ジャベリナ: 10mmオート弾を使用するモデル。
• - アクセラレーター: .400カーボン弾を使用する7インチモデルです。

メディアでの登場

ハードボーラーは、映画『ターミネーター』に登場し、アーノルド・シュワルツェネッガーが演じるT-800によって使用されました。このことにより、ハードボーラーは広く知られることとなり、日本でも多くのファンを獲得しました。また、遊戯銃メーカーの千代田製作所からは、ターミネーター仕様のエアソフトガンが発売されました。

他にも、ゲーム『HITMAN』や『バイオハザード4』シリーズにも登場し、サプレッサーやレーザーサイトと共にプレイヤーの愛銃として評価されています。

まとめ

AMTハードボーラーは、その特異な設計と歴史的な背景から、半自動拳銃の中でも特に注目される存在です。さまざまなモデルやバリエーションが存在し、近年のメディアへの露出も手伝って、今後もその名は語り継がれることでしょう。

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