.40S&W弾

.40S&W弾とは

.40S&W弾（10x22mm Smith & Wesson）は、スミス&ウェッソン社によって開発された拳銃用の実包です。この弾薬は、10mmオート弾をベースに、ケース長を短縮し、威力を調整したものです。主に警察機関や民間市場で利用されています。

開発の経緯

10mmオート弾は、9mmパラベラム弾と.45ACP弾の中間を埋めるべく開発されましたが、初期の採用銃に問題があり、マイナーな存在に留まっていました。また、10mmオート弾は、.45ACP弾と同等の全長を持つため、9mmパラベラム弾用のフレームでは衝撃に耐えられず、大型の.45ACP弾用のフレームが必要となるという課題がありました。このため、「銃のサイズは変わらないのに威力は低い」という印象を与えていました。

そこで、10mmオート弾の弾頭とブロック基部を使いつつ、9mmパラベラム弾のフレームサイズに収まるように設計されたのが、.40S&W弾です。ケース長は22mmと比較的大きいですが、弾頭が深くケース内に潜り込む構造により、全長は9mmパラベラム弾よりも短くなっています。

スミス＆ウェッソン社は、.40S&W弾を「9mmパラベラム弾より高威力で、.45ACP弾より反動がマイルド」と宣伝しました。一般的に、.40S&W弾は.45ACP弾よりも運動エネルギーが大きいことが多いですが、.45ACP弾の方が重い弾頭を使用できるため、威力に関する議論があります。弾頭の重量も威力を左右する重要な要素であり、重い弾頭は威力が高い傾向があります。

一時期、.40S&W弾は.45ACP弾よりも装弾数が多く、9mmパラベラム弾よりも威力が高いと評価され、アメリカの警察で広く採用されました。しかし、2020年代以降、アメリカの沿岸警備隊や連邦・地方の法執行機関では、9mmパラベラム弾を使用する銃器への移行が進んでいます。

薬莢の材質とデザイン

.40S&W弾の薬莢は、一般的な真鍮製で、ストレートケースリムレスの形状をしています。ケース底部と弾頭は、10mmオート弾の設計を継承しています。薬莢の直径は10mm、全長は22mmです。

使用銃

.40S&W弾は、さまざまな拳銃や短機関銃で使用されています。

拳銃

Cz75
H&K USP
H&K P2000
H&K P7
H&K P30
H&K VP9
SIG SAUER P226
SIG SAUER P239
SIG SAUER P250
SIG SAUER P320
SIG SAUER Pro
S&W M&P
グロック22, 23, 24, 27, 35
スプリングフィールドXD
トーラス PT92
ベクター SP1
ベルサ サンダー40
ベレッタ92
ベレッタ90-Two
ベレッタPx4
ベレッタAPX
ワルサーP99
ワルサーPPQ

短機関銃・PDW

H&K MP5/40
H&K UMP40
クリス ヴェクター
ブリュッガー&トーメ APC40
ベレッタCx4

関連情報

関連項目

9x19mmパラベラム弾
.45ACP弾
.357SIG弾
拳銃弾一覧

外部リンク

Ballistics concerning .40 S&W from Hodgdon Powder Co.
Hodgdon/IMR/Winchester's Online Reloading Center
Reloading Tables with MV, ME & Group Sizes (no pressures)
IPSC Competition Reloading Guide
Reloading Data from HandLoads Website
Firearms Tactical Institute Ammunition Performance Data
Ballistic Gel Testing Results
FBI: Handgun Wounding Factors & Effectiveness
.40 S&W Shooting Videos
Ballistics By The Inch .40S&W results.

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