AMX30 AuF1 155mm自走榴弾砲

AMX-30 AuF1：フランス生まれの自走榴弾砲

AMX-30 AuF1は、フランスが開発した155mm自走榴弾砲です。フランス陸軍の主力戦車であったAMX-30の車体とエンジンをベースに設計されており、その信頼性と実績を受け継いでいます。

開発の経緯

1960年代末、フランス陸軍はより高度な自走榴弾砲の必要性を認識し、新型車両の開発に着手しました。AMX-30のコンポーネントを活用することで開発期間とコストを削減し、1972年には試作車が完成。1979年にはAMX-30 AuF1として実戦配備が開始されました。AMX-30と比較して、重量増加に伴い最高速度は若干低下しています。

特徴

AMX-30 AuF1の最大の特徴は、砲塔部分がGCT（砲璢複合体）システムとして独立して設計されている点です。これにより、AMX-30だけでなく、M1エイブラムス、チャレンジャー1/2、レオパルト2、T-72など、現存するほぼ全ての主力戦車の車体を流用することが可能です。しかし、車体を選ばない設計の代償として、砲塔旋回・仰俯角調整用の発電機や照準装置など、走行系統以外のすべての機能を砲塔に搭載する必要があり、結果として砲塔が大型化しています。

運用実績

AMX-30 AuF1は、フランス軍の他、サウジアラビアやイラクなどでも採用されました。特にイラン・イラク戦争や湾岸戦争などの実戦で運用され、その性能が実証されています。

採用国

フランス：273両を受領。2023年時点で32両が現役。
クウェート：18両
サウジアラビア：63両
イラク：1983年から1985年の間に86両を受領し保管。

関連項目

自走砲
AMX-30
* カエサル 155mm自走榴弾砲

AMX-30 AuF1は、その柔軟な設計と実績により、多くの国で採用された自走榴弾砲です。現在でも一部の国で使用されており、その存在感を示しています。

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