AN-94

AN-94自動小銃

AN-94（ロシア語: АН-94）は、ロシアのイズマッシュ社が製造した自動小銃であり、別名「アバカン」とも呼ばれています。この銃は、AKシリーズやドラグノフ狙撃銃と同様にロシア軍に配備されています。AN-94のGRAUコードは6P33（6П33）です。

概要

AN-94は、AK-74の進化版として1994年にロシア連邦軍に制式採用されました。この自動小銃は、ゲンナジー・ニコノフが設計したもので、銃の大きな特徴はトリガーを引くと2発の弾丸を同時に発射することができる2点バースト機能にあります。この機能により、高い命中率を期待できる点が特に注目されています。また、右側面には折りたたみ可能な銃床があり、強化プラスチックを多く使用しています。

主要な特徴

2点バースト機能

AN-94は2点バースト射撃を特徴としており、高速で発射が可能です。このモードでは、発射速度は1,800発/分に達し、実際に1発目の反動が生じる前に2発目が発射されるため、一般的なフルオート射撃よりも高い命中率を実現します。最初の2発は高速で発射されますが、その後は発射速度が600発/分に下がります。このシステムは、弾薬が薬室に装填される前にスライダーによって運ばれる構造を持っています。

反動の抑制

AN-94は、銃身、ガスピストン、ボルトキャリアー、上部レシーバーが一体化しており、この設計により射撃時の反動を大幅に抑えることができます。ショートリコイルのような動きによって、高い精度が保持されるのです。また、ガスチェンバーを二つ持つ新しいマズルブレーキが銃身の先端に設置され、さらなる反動軽減に寄与しています。

堅牢設計

この自動小銃は、悪環境でも安定して機能するように設計されています。十分なカバーが施されており、湿気や砂塵に対して耐久性があります。そのため、過酷な条件下でも使用可能です。

銃剣とその他の特徴

AN-94は、従来のAKシリーズと異なり、銃剣を銃身の右側に取り付けることができるため、グレネードランチャーとの併用も可能です。撃発機構を含むグリップ周辺部が脱着可能な設計になっており、これは軍の銃器横流しを防ぐための工夫とも言われています。また、アイアンサイトはAKのものとは異なり、風車型のダイヤル方式に切り替えられました。

課題と欠点

AN-94は高い技術が投入されているものの、いくつかの欠点も抱えています。製造コストが高く、分解整備が複雑なため、運用の難しさが指摘されています。また、発砲時に排熱が悪く作動不良を引き起こしやすいという問題もあります。さらに、設計者の急死により改良が滞っている点も課題とされています。

アバカンプロジェクトと配備状況

「アバカン」は次世代アサルトライフル開発プロジェクトとして1978年から1994年にかけて行われ、AK-74の連射命中性能を超えることを目指しました。AN-94はこのプロジェクトで改良された試作品です。1994年からはロシア連邦軍に配備され始め、エリート特殊部隊にまず配布され、その後一般部隊にも行き渡るようになりました。最近では、小隊あたり一丁の配備が進んでいると言われています。

最後に

AN-94は、革新的な設計を持つ自動小銃であり、その独特の機能は多くの期待を集めていますが、その一方で信頼性確認の面でも厳しい検証を要する製品です。技術の進化がもたらした殺傷力の向上として、今後の運用に注目が集まります。

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