AN/SQS-17

AN/SQS-17 軍用ソナー

AN/SQS-17は、アメリカ合衆国EDO社によって開発された軍用ソナーシステムであり、主に小型戦闘艦に搭載されています。このソナーは、13キロヘルツの中周波を利用したスキャニング・ソナーで、その特性から周囲の水中環境を効果的に探査することが可能です。

概要

AN/SQS-17の中心にはTR-166送受波器があり、この機器は直径100インチ（約250 cm）のドームの中に収められています。送信出力は134デシベルに達し、動作モードは全方向送信（Omnidirectional Transmission）に限定されています。このソナーは1954年に就役し、小型駆潜艇などの艦艇に搭載されることが多かったです。特に173フィート型駆潜艇において、従来のQCU型ソナーの代替として広く使用されました。また、アメリカ沿岸警備隊のリライアンス級カッターでも採用されています。

EDO社は、AN/SQS-17の成功を受けて、その改良型としてAN/SQS-36を開発しました。AN/SQS-36は、1966年に契約に基づき、待ち受け受信に対応したソナーシステムとして位置づけられました。同時に、EDO社は可変深度ソナー版としてEDO 700の開発にも着手しました。これにより生まれた派生型がAN/SQS-35であり、日本電気によってSQS-35(J)としてライセンス生産されました。さらに、日本国内での使用を考慮して、SQS-36の改良版であるSQS-36D(J)も開発されています。

EDO社によって開発されたSQS-35は、SQS-38とも呼ばれ、同等の性能を持つ探信儀として知られています。これにより、AN/SQSシリーズのソナーは、その性能向上と効率的な運用が期待されています。

採用国と搭載艦

AN/SQS-17は、主にアメリカ海軍での使用が中心ですが、フランスでもライセンス生産され、近代的なソナー技術の発展に貢献しました。このシステムの採用により、フランス海軍も先進的な探査能力を備えた艦艇の運用が可能となり、国際的な海洋作戦における競争力が向上しました。

出典

いくつかの文献において、AN/SQS-17およびその関連システムに関する情報が詳述されています。ノーマン・フリードマン著「The Naval Institute Guide to World Naval Weapon Systems 1997-1998」や、香田洋二による「国産護衛艦建造の歩み」などがその一例です。これらの資料は、AN/SQSシリーズの詳細な性能や歴史的背景についての理解を深めるために参考になります。

関連項目

有名なAN/SQSシリーズのソナーには、AN/SQS-4|AN_SQS-4などがあります。このシステムも並行して配備され、駆逐艦および護衛駆逐艦に使用されました。AN/SQS-17を筆頭に、これらのシステムは海上戦術に大きな影響を与えています。

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