AN/SQS-4

AN/SQS-4: 米国製軍用ソナーの概要

AN/SQS-4は、アメリカ合衆国のサンガモ社によって開発された軍用ソナーシステムであり、主に水中での目標探知を目的としています。このソナーは、事前に開発されたAN/SQS-10を基にしており、周波数を14kHzに改訂したことが特徴です。初めて提案されたのは1948年であり、1951年からは試験運用が開始されました。そして、1954年から本格的に艦隊に配備されるようになりました。

AN/SQS-4は、軍艦などの護衛艦に搭載され、特に対潜水艦戦における重要な役割を果たしました。ただし、攻撃用ソナーは別途必要とされており、例えば日本の海上自衛隊の護衛艦「あまつかぜ」では、AN/SQR-8という別のソナーが使用されました。また、潜水艦においてはAN/BQR-2/4が使われていました。

このソナーシステムは、その後、続けて低周波数対応に改修されていきます。具体的には、オリジナルのAN/SQS-4から派生した改良版には、周波数が異なるmod.1からmod.4までのモデルが存在します。各モデルは、音響ビームの方向を調整する「RDT（Rotating Directional Transmission）」機能を追加し、信頼性向上のための改造が施されています。これにより、各モデルはあらゆる状況での探知能力を向上させました。

探知距離に関しては、SQS-29/30モデルで6.9 km、SQS-31/32モデルでは5.9 kmの平均的な範囲が得られました。また、特に水温の変化が大きい場所でも、SQS-29を使用すれば約2,100ヤード（1,900メートル）の距離で目標を探知できる能力がありました。

1954年に、ディーレイ級護衛駆逐艦に最初に搭載され、その後さまざまな艦艇での使用が広がりました。対潜ロケット砲搭載の艦艇にも多く搭載されたものの、その後、より高性能な長射程のアスロック対潜ミサイルが開発されると、さらなる探知距離の延伸が求める声が上がりました。この要求を受けて、AN/SQS-29を基に周波数をさらに下げた5キロヘルツ級の新型ソナーAN/SQS-23が開発され、1958年から展開が始まりました。

さらに、1960年代初頭には、可変深度ソナーとしてAN/SQA-10も開発されました。これもまたAN/SQS-30Bと同じ送受波器を搭載し、同じく10kHzで動作します。しかし実際に運用される中で、これが求められる精度や機動性を必ずしも満たせなかったため、期待されていた効果は限定的でした。

AN/SQS-4は、その後も一定の任務を遂行し続け、海上自衛隊のソナー技術の発展にも寄与してきました。後継機や他国の同型機とも共に、現代の海上防衛における重要な技術として位置づけられています。

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