APK (ファイル形式)

APKファイルについて

APK（Android Application Package）は、Googleが開発したAndroid専用のソフトウェアパッケージのフォーマットです。このファイル形式は、Androidデバイス上でアプリケーションを配布・インストールするために必要不可欠なものです。APKは基本的にJARファイルに似ており、ZIP形式のアーカイブファイルで構成されています。

概要

APKファイルは、他のオペレーティングシステムでのパッケージ形式に類似しており、たとえばUbuntuやDebianではDEBファイル、WindowsではMSIファイルが使われます。APKファイルの作成には、Android用に開発されたプログラムをコンパイルし、関連する全要素を一つにまとめるプロセスが必要です。このパッケージには、仮想マシン用の実行ファイル、デジタル証明書、マニフェストファイルなどが含まれます。また、C言語で書かれたネイティブアプリケーションには、プロセッサーアーキテクチャごとに必要な共有ライブラリ（.soファイル）も含まれます。

ファイル名の拡張子は「.apk」である必要がありますが、その他の部分については自由に命名することができます。

APKのインストール方法

APKファイルは、一般的なソフトウェアのインストール手順に従い、Androidデバイスへインストールが可能です。主にGoogle Playストアや携帯キャリアのアプリストアなどの公式なソースからのインストールが推奨されますが、非公式のウェブサイトからのダウンロードや、PCのADBコマンドラインツールを使ってUSB経由での転送も行えます。

ただし、非公式なAPKはアプリストアの厳しい審査を通過していないため、マルウェアを含む危険なアプリが多いことに留意が必要です。様々なセキュリティ対策から、Androidの設定ではこれらのAPKファイルを直接インストールできないようになっており、必要な設定を行うことでインストールを許可する仕組みとなっています。

Android 4.xから7.xでは「設定」から「セキュリティ」を経由して設定しますが、これにより全体のセキュリティが低下するため、注意が必要です。Android 8.0以降では、特定のアプリごとにインストールの許可を設定可能に変更されています。

APKファイルの構成

APKの内部構成は多岐にわたり、基本的なディレクトリやファイルの構成は次の通りです：

• - META-INF: アプリのメタデータが含まれるディレクトリ
• - lib: 各アーキテクチャ用のコンパイルされたコード
• - res: 画像やレイアウトなどのリソースファイル
• - assets: 通常では扱えないファイルを格納するディレクトリ
• - AndroidManifest.xml: アプリの基本情報を含むマニフェストファイル
• - classes.dex: コンパイルされたJavaクラスファイル
• - resources.arsc: プリコンパイルされたリソースファイルが格納される

APKの拡張ファイルとMultiple APK

Google Playでは、APKファイルのサイズに制限があり、通常は100MBまでです。この制限を超えるデータを配信する場合は、APK拡張ファイルを利用することができます。拡張ファイルは、ファイル名に一定の規則が必要で、最大サイズは2GBです。

また、複数のデバイスに最適化したAPKを別々に提供する「Multiple APK」機能も存在します。これは、ユーザーのダウンロードサイズを縮小するための便利な機能ですが、個々にパッケージ化と署名を行う手間がかかります。

Android App Bundle

APKファイルのダウンロードサイズを最適化するために、Android App Bundle（aab）という新しい形式が導入されています。aabをアップロードすると、Google Playが最適なAPKを生成します。2021年には、App Bundleの使用が義務付けられる予定です。大容量のアセット配信には、Play Asset Deliveryが代替手段として推奨されています。

まとめ

APKファイルはAndroidにおいて非常に重要な役割を果たしており、開発者にとっては必須の知識です。アプリのインストール方法や構成を理解することは、より良いアプリケーションを作成するための第一歩となります。

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