APS-Cサイズ

APS-Cサイズとは

APS-Cサイズ（Advanced Photo System type-C）は、デジタルカメラのイメージセンサーのサイズ規格の一つです。APSカメラシステムのAPS-Cタイプ（23.4mm×16.7mm）に近いサイズであることから、この通称で呼ばれるようになりました。ただし、厳密な規格ではないため、メーカーや機種によって若干のサイズ差があります。

APS-Cサイズの特性

APS-Cサイズのイメージセンサーは、35mmフィルム（フルサイズ）よりも小型です。そのため、同じレンズを使用した場合、写る範囲（画角）が狭くなります。一般的に、焦点距離は35mm判換算で約1.5～1.7倍相当になります。例えば、50mmレンズをAPS-C機に装着した場合、約75mm相当の画角になるということです。

このサイズが開発された背景には、35mmフルサイズセンサーの製造コストが高く、生産数も少なかったことがあります。APS-Cサイズは、画質を大きく損なわずに生産数を増やせるサイズとして採用されました。

当初はコスト重視の妥協と見られていましたが、イメージサークルを小さくできるため、レンズやカメラを小型化できるというメリットも明らかになりました。これにより、システム全体のコストを抑えることが可能になり、アマチュア向けのデジタル一眼レフカメラの標準的なセンサーサイズとして広く普及しています。

また、フィルム一眼レフカメラ用に開発された従来のレンズを使用した場合、レンズの中心部分を使うことになるため、周辺部の描写がフルサイズセンサーに比べて落ちにくいという利点があります。光量低下も比較的少ないです。

しかし、画面サイズが小さくなるということは、同じサイズに引き伸ばした場合、より高いレンズの解像度やMTF（Modulation Transfer Function）が求められることを意味します。例えば、従来のレンズで得られた画質を維持するには、より高性能なレンズが必要になります。

画角とボケ

APS-Cサイズでは、35mm判よりも画角が狭くなります。そのため、同じ範囲を撮影するには、より短い焦点距離の広角レンズが必要になります。また、同じ画角で撮影する場合、ボケの量が少なくなるため、大きなボケを得るためには、開放F値がより小さいレンズを使用する必要があります。

一方で、パンフォーカスで撮影する場合には、被写界深度が深くなるため有利になります。また、望遠撮影では、より短い焦点距離の望遠レンズが使用できるため、レンズサイズを小型化できるというメリットもあります。

各社のAPS-Cサイズ

各社でAPS-Cサイズの寸法は若干異なり、例えば以下のようなものがあります。

24.0×16mm - APS-C (x1.5)
22.5×15mm - APS-C (x1.6)

参考

36.0×24mm - 35mmフルサイズ
17.3×13mm - フォーサーズシステム

関連事項

固体撮像素子
APS-Hサイズ
35mmフルサイズ
フォーサーズシステム
* デジタル一眼レフ専用レンズ

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