AR-57

AR-57：AR-15を5.7x28mm弾仕様に改造した異色のカービン

AR-57は、アメリカ合衆国のラインラントアームズ社によって設計され、現在はエアロプレシジョン社が製造している改造キット、または完成品として販売されている自動火器です。この銃の最大の特徴は、AR-15ライフル（M16自動小銃の民間向けセミオート専用型）をベースに、5.7x28mm弾を使用できるように改造されている点です。これにより、AR-15プラットフォームの汎用性を維持しつつ、5.7x28mm弾の持つ高い貫通力や低反動といった利点を活用できるようになっています。

概要

AR-57は、カービンまたはPDW（Personal Defense Weapon：個人防御火器）に分類されることが一般的です。AR-15のアッパーレシーバーと銃身を、5.7x28mm弾に対応したものに交換することで、この改造を実現しています。弾倉はFN P90のものを流用し、銃の上部に銃身と並行に装着される独特な形状をしています。給弾方式もFN P90と同様に上部から行われ、射撃後の空薬莢は、ロアーレシーバーの前部下方、元の5.56mm弾マガジン装着口から排出されます。

ただし、AR-57にはいくつかの特徴的な仕様があります。例えば、弾丸を撃ちきった後のボルトストップ機能は実装されていません。また、ロアーレシーバーのボルトリリースボタンや、元の5.56mm弾倉用のマガジンキャッチボタンは機能しません。これらの点は、AR-15の改造銃としての制約と言えるでしょう。

特徴

AR-57のもう一つの特徴として、上部のピカティニー・レールが比較的狭く、光学照準器などを取り付けるスペースが限られている点が挙げられます。さらに、弾倉の脱着時に干渉するため、全長が長いスコープなどは、レールに取り付けられたとしても実用的でない場合があります。この問題を解決するため、改良型では、弾倉への干渉を避けるためにレールが後方に延長され、より柔軟な光学照準器の取り付けが可能になっています。

運用

AR-57は、その独特なデザインと、5.7x28mm弾という特殊な弾薬を使用することから、主に特殊部隊や法執行機関などで限定的に運用されています。また、民間市場では、スポーツシューティングやコレクションの対象として、一定の人気を得ています。

ゲームへの登場

近年では、人気ゲームシリーズ『Call of Duty』にも「FSS Hurricane」という名称で登場しており、多くのプレイヤーにその存在を知られるようになりました。特に『Call of Duty: Modern Warfare II』と『Call of Duty: Modern Warfare III』のマルチプレイモードで利用可能で、キャンペーンでは『MWIII』の「一触即発」ミッションでプレイヤーが初期装備として使用しています。

まとめ

AR-57は、AR-15のプラットフォームをベースに、5.7x28mm弾を使用するように改造された、独特な特徴を持つカービン/PDWです。その特殊なデザインや運用状況、ゲームへの登場を通じて、多くの人々にその存在を知られています。この銃は、AR-15の汎用性と、5.7x28mm弾の特性を組み合わせた、ユニークな存在と言えるでしょう。

関連項目

5.7x28mm弾
カービン
PDW
FN PS90
* 『COD:MWII』『COD:MWIII』

外部リンク

AR57.com

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