ARGO計画

Argo計画について

Argo計画は、全球の海洋表層における水温や塩分のプロファイルをリアルタイムで取得することを目指した国際的な研究プロジェクトです。この計画は海洋物理学や水産学の研究に貢献し、さらに「海の天気予報」の確立を目指しています。名称の「Argo」は、温度・塩分プロファイリングフロートの全球的な観測ネットワークを指しており、古代ギリシャの伝説的英雄イアソンが乗った船「アルゴ」に由来しています。

概要

Argo計画は国際的な協力のもとに進行しており、世界気象機関やユネスコ政府間海洋学委員会などが関与しています。2006年時点で、24の国と地域（23か国とEU）がこの取り組みに参加しており、日本も「高度海洋監視システム（ARGO計画）」を通じて政府のミレニアムプロジェクトの一環として取り組んでいます。

フロート観測

Argo計画では、最大水深2,000メートルまで対応する専用のアルゴフロートを、地球全体の海洋に約3,000本配置しています。これにより、約10日ごとに水温と塩分を観測し、そのデータを人工衛星を通じてリアルタイムで送信します。得られたデータは、全球気象通信網（GTS）を介して各国の研究機関や気象機関に無料で提供されます。

フロートは、漂流深度（通常1,000メートル）でユラユラと漂い、約10日間その深さで海流によって流れた後に、設定された最深圧力（通常2,000メートル）まで沈み、その際に水温と塩分を観測します。測定が終わると、浮上し海面で電波を発信してデータを人工衛星に送信します。その後、再び漂流深度に戻ります。

プロジェクトの進捗

2000年に始まったフロートの放流は順調に進み、2005年には計画の75%が実現しました。そして2006年末には、全3,000本のフロートが配置され、観測網が確立されました。以降もフロートの補充が行われており、毎年約800本が補充され、正常な観測網の維持が可能です。フロートの設計寿命は約5年であり、その期間において海洋の水塊の特性や流れの分布、さらに季節に伴う時間的変動を把握することができます。

まとめ

Argo計画は、気候変動や環境問題に対する解決策を見出すために非常に重要な役割を果たしています。国際的な協力によって支えられたこのプロジェクトは、海洋の理解を深めるとともに、持続可能な未来に向けたデータの提供を行っています。

もう一度検索