ARIEL

『ARIEL』概要

『ARIEL』（エリアル）は、著者笹本祐一による日本のSF小説のシリーズで、1987年から2006年までソノラマ文庫から刊行されました。イラストは鈴木雅久が担当し、全20巻52話で構成されています。

物語の背景

物語は、国立科学研究所（SCEBAI）の所長である岸田博士が開発した女性型巨大ロボット兵器「ARIEL」を中心に展開されます。このARIELは全領域での邀撃や支援を目的としており、そのパイロットには岸田博士の姪や孫が選ばれます。一方、銀河帝国の侵略企業ゲドー社が地球を侵略しようとする中で、ARIELは彼らと対峙します。

物語は、侵略者とそれに立ち向かう地球側の攻防を描きつつ、キャラクターたちが抱える様々なバックストーリーや心理描写に重点が置かれています。特に、彼らの人間関係やそれぞれの思惑が交錯する中で、ストーリーが展開されます。

主な登場人物

• - 河合美亜: ARIELのチーフパイロットで岸田博士の姪。極真空手の有段者でもある彼女は、自らの信念を持ち、大胆不敵な性格です。
• - 岸田絢: 岸田博士の孫娘で、当初エリアルのパイロットに任命されたが、役割変更で砲手になります。受験生としての苦悩を抱えています。
• - 岸田和美: 絢の妹で、楽観的な性格。私生活においても自由さを重んじています。
• - 岸田博士: ARIELの開発者であり、非常に個性的なキャラクター。どこかマッドサイエンティスト的な人物像が描かれています。
• - アバルト・ハウザー: ゲドー社の艦長で、優れた作戦能力を持つ宇宙の侵略者。この侵略企業は地球侵略を決定的な会社の取り組みとして捉えています。

物語の流れ

物語は、地球侵略を企むゲドー社の動きに対抗する形で、ARIELがプレイヤーキャラクターとして活躍する様子が描かれます。彼女たちは最初の出番で侵略者たちに立ち向かうものの、宇宙人の先進的な技術に苦しむことになります。

地球防衛にスクラップされたパイロットたちは、当初は乗り気ではありませんが、様々な困難を克服して徐々に仲間として結束し、真剣に戦い始めます。特に絢や和美は、個々の成長を通じて自身の存在意義や向き合う義務の大切さを学びます。

SF的要素

本作の魅力は、ファーストコンタクトやタイムトラベルなどのSF的要素が随所に散りばめられている点です。これにより、単なる侵略ストーリーに留まらず、異星人との関係性や人間の存在意義を考えさせられるストーリーへと発展しています。また、登場メカニックの詳細も見逃せません。

結末と評価

『ARIEL』は物語の完結をもって、読者に考察を促し、様々な感情を呼び起こします。物語終了後のキャラクターたちの行く先を考えるのも楽しみの一つです。形式や内容の豊富さから、特にSFファンにとって印象深い作品となっています。

受賞歴

この作品は2005年に星雲賞を受賞しており、SF文学界での評価も高いです。OVA化やオーディオドラマ版も存在し、幅広いメディア展開を果たしました。

まとめ

『ARIEL』は、心揺さぶるキャラクターと奥深い物語、壮大なSF要素が融合した、読み応えのある作品です。要素を順次掘り下げつつ、催されるアクションと感動を通じて、一つの大きな宇宙の物語が描かれています。

もう一度検索