AT RANDOM

来生たかお アルバム「AT RANDOM」

『AT RANDOM』は、1980年にリリースされた来生たかおの5枚目のオリジナルアルバムです。このアルバムは、LPとCTで発売され、後にCDとしても復刻されています。

アルバム概要

来生たかお自身が“矢倉銀”名義で初めてアレンジャーとして参加した作品です。このペンネームは、将棋の戦法である矢倉囲いと銀将を組み合わせて名付けられました。

アルバムタイトルはジャケットに明記されておらず、裏面の写真にアルファベットのオブジェクトで表現されています。この点も、アルバムのユニークな特徴の一つと言えるでしょう。

復刻盤の変遷

『AT RANDOM』は、来生たかおの歌手デビュー10周年、20周年といった節目にCDとして復刻されています。各復刻盤でジャケットや帯のデザイン、音源のリマスタリングなどが異なり、ファンにとってはコレクションする楽しみもあります。

1986年：歌手デビュー10周年に際し、初CD化
1991年：CD再発
1995年：歌手デビュー20周年に際し、高城賢によるデジタルリマスター化
2007年：21枚組CD-BOX『来生たかお大全集』に収録

パッケージの体裁

アルバムタイトルは、初出のジャケットでは“AT RANDOM”と表記されていますが、その後の帯やディスコグラフィーでは、“アト・ランダム”とカタカナ表記されることもあります。CDのパッケージも、ジュエルケースにブックレットや歌詞カードが挿入されるなど、様々な形態でリリースされています。

収録曲について

アルバムには、「いつか、むかし」「もうすぐ、たそがれ」「らぶ・れたあ」「夜の底へ」「つまり、愛してる」「車窓」「真昼のくらやみ」「ちょっと、ドギマギ」「遅い夏」「ほんの、ノスタルジー」など、全10曲が収録されています。

これらの楽曲は、来生えつこが作詞、来生たかおが作曲を手がけており、二人の才能が光る作品群と言えるでしょう。特に、「もうすぐ、たそがれ」は、タイトルに読点を使用するなど、来生えつこの作詞の実験的な試みが見られます。

「つまり、愛してる」は、フジテレビ系アニメ『みゆき』の挿入歌として使用され、アルバムの代表曲の一つとなっています。「車窓」は河合奈保子がカバーしており、来生えつこが企画・構成を務めたアルバムに収録されました。

参加ミュージシャン・スタッフ

『AT RANDOM』には、若草恵、松井忠重、椎名和夫、矢倉銀、星勝といった著名なアレンジャーが参加しています。プロデューサーは多賀英典、ディレクターは本間一泰が務めました。レコーディング・エンジニアは高城賢が担当しています。

まとめ

来生たかおの『AT RANDOM』は、彼の音楽キャリアにおいて重要な作品の一つです。矢倉銀名義での編曲デビューや、多様な復刻盤の存在など、様々な側面から楽しめるアルバムと言えるでしょう。来生えつことのコンビが生み出す独特の世界観は、多くのファンを魅了し続けています。

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