ATOMICA

原子力百科事典ATOMICAは、日本原子力研究開発機構が運営する、インターネット上の原子力専門百科事典です。この百科事典は、原子力、エネルギー政策、放射性物質に関する情報を網羅的に提供しており、専門家によって執筆された信頼性の高い情報源として活用されています。

経緯

ATOMICAは、1995年に高度情報科学技術研究機構(RIST)が科学技術庁からの委託を受けて、パソコン通信を通じて提供を開始しました。その後、1996年からは科学技術振興事業団のウェブサイト「げんしろう」からもアクセスできるようになり、RISTのトップページからもリンクが張られるようになりました。2007年には日本原子力文化振興財団運営のウェブサイト「あとみん」と統合され、その後、2009年からはRISTのサイトで運用されていました。2019年3月14日からは、現在の日本原子力研究開発機構による運営となっています。

記事の制作と取り扱い

ATOMICAのコンテンツは、原子力関連の専門家によって執筆されており、信頼性の高い情報を提供しています。掲載されている記事には、原著作者から掲載許可を得た二次著作物も含まれています。また、トップページおよび個々のコンテンツへのリンクは原則として自由に行うことができ、誰もが容易に情報にアクセスできます。

コンテンツ

ATOMICAのデータベースは、大項目、中項目、小項目の分野別階層構造によって整理されており、利用者が目的の情報にたどり着きやすいように工夫されています。主な大項目は以下の通りです。

エネルギーと地球環境: 新エネルギー、エネルギー資源、地球環境問題など
原子力発電: 炉型、立地、発電所、事故、高度化、プルサーマルなど
開発中の原子炉および研究炉等: 高速増殖炉、新型転換炉、高温ガス炉、その他研究炉
核燃料リサイクル: ウラン資源、濃縮、燃料加工、再処理、MOX燃料など
バックエンド対策: 放射性廃棄物の処理・処分、原子力施設廃止措置
原子力安全研究: 軽水炉、高速炉、核燃料リサイクル、環境放射能など
基礎基盤研究および先端的研究: 新原子力システム、原子力船、核融合など
放射線利用: 種類、線源、医学、農水産、理工学、RIなど
放射線影響と放射線防護: 環境放射能、生物影響、放射線防護など
原子力の行政・制度・政策: 長計、行政、防災、賠償、法規など
原子力安全規制: 安全規制、安全審査指針など
原子力施設の運転状況: 原子力発電所、核燃料リサイクル施設、研究炉など
国際協力・原子力関連機関: 国際機関、国際協力、保障措置など
海外情勢: アジア、北米、西欧、ロシア・東欧、中近東、中南米など
(欠番):
放射線と原子力に関する歴史とトピックス: 発見、歴史など
原子力資料集: 原子力年表
原子力基礎データ: 欧文略語、元素周期表、諸単位など

過去には、原子力に関する素朴な疑問に答えるQ&Aの項目がありましたが、他の項目と内容が重複していたため、RISTに移管する際に削除されました。

注意事項

ATOMICAのコンテンツには、一部更新されていない情報が含まれている場合があります。特に、年度ごとのデータや過去の事実に関する解説については、最新の情報と異なる場合があるため注意が必要です。例えば、ICRPの1977年勧告（チェルノブイリ事故以前）の内容も含まれているため、その後の変更についても確認する必要があります。

まとめ

原子力百科事典ATOMICAは、原子力に関する包括的な知識を得るための貴重な情報源です。専門家による質の高い情報と、分かりやすい構成が特徴です。原子力分野を学ぶ学生や研究者、さらには一般の方々にとっても、ATOMICAは有益なツールとなるでしょう。

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