AVIzlib

AVIzlibは、大島賢治氏によって開発された、可逆圧縮方式を採用したフリーのVFW（Video for Windows）コーデックです。LCL（Loss-Less Codec Library）の一部として提供されています。FourCCは「ZLIB」で、その名の通り、データ圧縮ライブラリのzlibを基盤としています。かつては先進的な機能を持ち、可逆圧縮コーデックとして一定の評価を得ていましたが、現在は開発が中断しており、更新は行われていません。

特徴

AVIzlibの最大の特徴は、可逆圧縮である点です。映像データを圧縮する際に、元のデータから一切の情報を失わないため、画質の劣化が発生しません。これにより、エンコードとデコードを繰り返しても、元の映像と全く同じ品質を維持することができます。特に、CGムービーなどの中間フォーマットとしての利用に適しており、編集作業時の画質劣化を気にする必要がありません。

バージョン2.2.0では、新たな機能としてPNGフィルタが実装されました。これにより、より高度な圧縮が可能になり、ファイルサイズをさらに小さくすることができました。また、マルチスレッドモードにも対応しており、マルチコアCPU環境においては、より高速なエンコード・デコード処理が可能です。これにより、大規模な映像データも効率的に処理できます。

さらに、ffdshowにも対応しており、ffdshowをインストールすることで、AVIzlibで圧縮された動画を再生することができます。この互換性により、他のコーデックとの連携も容易になり、幅広い環境で利用できます。

対応OS

AVIzlibは、主にWindows環境での利用を想定して開発されました。対応OSは、Windows NT 4.0、Windows 95、Windows 98、Windows 2000となっています。これらのOSで動作確認が行われており、安定した動作が期待できます。

利用例

AVIzlibは、その特徴から、CGムービーなどの中間フォーマットとして利用されることが多いです。可逆圧縮であるため、編集作業において劣化を気にすることなく、何度でも再編集が可能です。また、アーカイブ用途としても利用価値があり、映像データを高品質な状態で保存することができます。

コンテナ形式

AVIzlibは、従来のVFWコーデックと同様に、AVIやMKVなどのコンテナ形式に格納することができます。特に、AVI形式との相性が良く、拡張子を「.avi」とすることで、一般的な動画プレーヤーで再生できます。例として、「(ZLIB+PCM).avi」のようなファイル名で保存することができます。音声データは非圧縮のPCM形式で格納できます。

関連項目

AVIzlibに関連する技術やコーデックとして、以下のものが挙げられます。

AVImszh：マイクロソフトが提供する無圧縮コーデック
CorePNG：PNG画像を扱うライブラリ
ffdshow：DirectShowフィルター
Huffyuv：可逆圧縮コーデック
H.264 lossless：H.264の可逆圧縮形式
PNG：画像ファイル形式
zlib:データ圧縮ライブラリ

これらのコーデックや技術を理解することで、AVIzlibの特性をより深く理解することができます。

外部リンク

LCLの部屋 - ウェイバックマシン（1999年4月29日アーカイブ分）：開発者のサイトのアーカイブ。詳細な情報が確認できます。

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