Active Desktop

アクティブデスクトップとは

アクティブデスクトップは、Microsoftが提供していたWindowsデスクトップの拡張機能の一つです。これは、Internet Explorer 4.0のオプションとして導入され、HTMLコンテンツをデスクトップの背景や独立したアイテムとして表示することを可能にしました。これにより、ユーザーはウェブサイトの情報をブラウザを開くことなく、常にデスクトップ上で確認できるようになりました。

この機能は、Windows 95の拡張として登場し、Windows 98で標準搭載されましたが、Windows Vistaで廃止されました。Internet Explorerでは4.0から6.0に搭載され、7.0で廃止されました。

主な機能

• - HTMLコンテンツの表示: 通常の壁紙として、または独立したデスクトップアイテムとして、HTMLコンテンツを表示できます。
• - オンライン更新: 表示されるコンテンツは、オンラインで更新・同期されるため、常に最新の情報を表示できます。
• - カスタマイズ性: デスクトップの見た目をカスタマイズし、ユーザーの好みに合わせた表示が可能です。

デスクトップガジェットとの比較

アクティブデスクトップは、デスクトップにアイテムを設置できるという点で、各種デスクトップガジェット技術と類似しています。しかし、アクティブデスクトップはHTMLコンテンツを表示することに特化しており、ガジェットのような多様な機能を持つものではありませんでした。

パフォーマンスへの影響

アクティブデスクトップを使用すると、特に性能の低いPCでは、システムのパフォーマンス低下やメモリ使用量の増加が見られました。そのため、この機能を停止することで、パフォーマンスの向上が期待できる場合がありました。

設定

ディスプレイのプロパティからアクティブデスクトップの設定を変更できます。また、TweakUIを使用すると、アクティブデスクトップの完全な無効化や設定変更の禁止などの詳細な設定が可能です。

歴史

アクティブデスクトップの登場は、MicrosoftがPointCastのようなPush技術への投資を試みたことが背景にあります。ニュースや株価など、頻繁に更新される情報を「チャンネル」としてデスクトップに表示することで、ユーザーは常に最新の情報を確認できるようになりました。

1997年、Windows 95とNT 4.0用のInternet Explorer 4.0のオプション機能として公開されました。Windowsデスクトップのアップデートの一部として提供されましたが、このアップデートにより、Windowsのシェル全体が大幅にアップグレードされ、ファイル名の大文字使用、シングルクリックでのファイルオープン、フォルダごとのHTML表示など、当時のWindows 98に近い操作感を提供していました。

しかし、アクティブデスクトップはシステムリソースを大量に消費するため、安定性の低下を招くことが多く、多くのユーザーにとっては失敗した機能と見なされています。さらに、Microsoftと米司法省の反トラスト訴訟では、Internet ExplorerがWindowsと一体の機能であることの証拠として、アクティブデスクトップが引き合いに出されました。

その後の経過

Windows Vistaでは、アクティブデスクトップは廃止され、代わりにWindowsサイドバーが搭載されました。これはデスクトップにアイテムを配置する機能を提供しますが、アクティブデスクトップとは異なる技術に基づいています。そのため、Windows XPがアクティブデスクトップをサポートする最後のOSとなりました。ただし、64ビット版のWindows XPはアクティブデスクトップをサポートしていません。

現在でも、HTML表示機能は、主に元の壁紙に検索ボックスを追加するために用いられています。例えば、以下のようなコードを使用することで、ウィキペディアの検索ボックスをデスクトップに追加できます。

html



また、Internet Explorer 8で導入されたウェブスライスと比較されることもあります。

外部リンク

Internet Explorer 4.0 Desktop Gallery (現在は削除されている)

2004年時点でのアーカイブ

Detailed technical documentation of Internet Explorer 4.0 features/changes

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