Adobe Creative Cloud

Adobe Creative Cloud：クリエイティブワークを支えるクラウドサービス

Adobe Creative Cloud (CC)は、アドビ社が提供する、グラフィックデザイン、動画編集、Webデザインなど、クリエイティブな作業に必要なアプリケーションソフトウェアとクラウドサービスを統合したサブスクリプションサービスです。月額料金を支払うことで、常に最新のソフトウェアを利用でき、さらにクラウドストレージやフォントライブラリなどの追加サービスも利用できる点が大きな特徴です。

Creative Suiteからの進化と移行

CCは2012年5月に、Creative Suite 6と同時にリリースされました。その後、アドビ社はCreative SuiteからCCへの移行を推進し、2013年には完全にCCに一本化されました。この移行によって、ユーザーは従来の買い切り方式から、常に最新版を利用できるサブスクリプション方式へとシフトすることになりました。これにより、最新機能へのアクセスや、継続的なアップデートによるセキュリティ強化といったメリットが得られる一方、継続的な費用負担が必要になります。

サービス内容と料金体系

CCでは、Photoshop、Illustrator、Premiere Proといった主要なアプリケーションソフトウェアに加え、Adobe Typekit(フォントサービス)、クラウドストレージなどのオンラインサービスも提供されています。ソフトウェアは従来と同様にパソコンにインストールして使用しますが、常時インターネット接続は必須ではありません。料金体系は、月額制で、単体ソフトウェアの契約や、すべてのソフトウェアが利用できるコンプリートプランなど、複数のプランが用意されています。コンプリートプランを選択することで、様々なクリエイティブツールを網羅的に利用することが可能です。ただし、2019年5月以降は、直近2バージョンを除く旧バージョンのソフトウェアのインストールができなくなっている点に注意が必要です。これは、ドルビー社との訴訟問題が影響していると言われています。サービスの解約はいつでも可能ですが、解約後はソフトウェアとクラウドサービスは利用できなくなります。

バージョンと機能追加

CCは、2012年の最初のリリース以降、継続的にアップデートが行われてきました。初期のバージョンはCreative Suite 6とほぼ同等の機能を提供していましたが、その後、新しい機能が追加されたり、モバイルアプリケーションが導入されたり、ソフトウェアの動作環境が変更されたりと、多くの進化を遂げています。例えば、2014年には、Photoshop MixやLightroom mobileなどのモバイルアプリケーションが追加され、PCとモバイルデバイスを連携したワークフローが可能になりました。これらのモバイルアプリケーションは、Adobe IDに登録することで無料で利用できます。一方、一部のソフトウェアは、CS6で開発が終了したため、CC版はリリースされませんでした。(例: Adobe Encore, Adobe Fireworks)

永久ライセンス版の存在

CCへの移行後も、Photoshop Elements、Lightroom、Premiere Elementsといったソフトウェアは、従来通りの永久ライセンス版が販売されています。これらのソフトウェアは、買い切りで利用できるため、継続的な費用負担を避けたいユーザーにとっては魅力的な選択肢となります。ただし、機能はCC版と比べて限定的な場合があります。

まとめ

Adobe Creative Cloudは、クリエイティブなプロフェッショナルから、趣味でクリエイティブな活動をする人々まで、幅広いユーザーにとって魅力的なサービスです。常に最新のソフトウェアを利用できるメリットは大きく、クラウドサービスとの連携も、ワークフローの効率化に貢献します。ただし、サブスクリプションサービスであるため、継続的な費用負担が必要となる点や、旧バージョンへのアクセス制限などの点に注意が必要です。ユーザー自身のニーズや予算に合わせて、最適なプランを選択することが重要です。

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