Adobe Encore

Adobe Encore（アドビ アンコール）は、アドビシステムズが開発・販売していた、DVDやブルーレイディスクなどのディスクオーサリングを目的としたソフトウェアです。

主な機能

このソフトウェアの主な目的は、編集済みの動画データや静止画をDVDやブルーレイディスクで再生可能な形式に変換（オーサリング）することです。具体的には、以下の機能を提供しています。

動画や静止画の編集とエンコード: 編集済みの動画データや静止画を、DVDやブルーレイディスクで再生できる形式にエンコードします。
DVDへの記録: インストールされたパソコンに搭載されているDVDバーナーを使用して、記録型DVDに市販のDVDプレーヤーで再生できる形式で記録します。
字幕トラックとオーディオトラックの追加: 複数の字幕トラックやオーディオトラックを書き込むことができます。
詳細なメニュー設定: メニューのボタンリンクを詳細に設定でき、DVDビデオ形式のほぼすべての機能をサポートしています。
DVDライティング機能: ソフトウェア自体にDVDを書き込むエンジンが搭載されているため、別途DVDライティングソフトを用意する必要はありません。ISOイメージでの書き出しもサポートしており、好みのライティングソフトでDVDを作成することも可能です。
DLTテープへの書き出し: DLTドライブを接続することで、DLTテープに書き出したものをDVDプレス業者に入稿できます。

特徴

Adobe Encoreは、高度なディスクオーサリング機能を備えており、プロフェッショナルな映像制作の現場でも利用されていました。特に、詳細なメニュー設定や、複数の字幕・オーディオトラックの追加機能は、複雑なディスク構造を持つ映像作品の制作に不可欠でした。また、ISOイメージの出力やDLTテープへの書き出し機能は、DVDプレス業者への入稿作業を効率化するのに役立っていました。

開発終了

Encore CS6を最終バージョンとして開発が終了しており、現在は新規購入やインストールはできません。Adobe Creative Suiteの一部として提供されていたため、CS6の提供終了と共に事実上ソフトウェアとしての提供も終了しました。

後継のソフトウェア

Adobe Encoreの機能は、Premiere Proの一部の機能や、他のオーサリングソフトウェアに引き継がれています。Adobe Premiere Proでは、DVDやBlu-rayの作成がサポートされ、より包括的なワークフローで映像制作が可能になっています。

まとめ

Adobe Encoreは、かつてプロフェッショナルな映像制作現場で広く利用されていたディスクオーサリングソフトウェアです。DVDやブルーレイディスクの作成に必要な機能が豊富に搭載されており、高度なメニュー設定や字幕トラックの追加など、複雑なディスク構造を持つ映像作品の制作を支援していました。開発は終了しましたが、その機能の一部は、現在のPremiere Proなどのソフトウェアに引き継がれています。

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