Adobe ImageReady

Adobe ImageReady（アドビ イメージレディ）

Adobe ImageReadyは、かつてアドビが販売していたグラフィック編集ソフトウェアで、Web向けの画像作成に特化した製品でした。

概要

1998年に最初のバージョンが単独で発売されました。同時期にはマクロメディアのMacromedia Fireworksが競合製品として存在しましたが、ImageReadyはバージョン2.0以降、Adobe Photoshopに同梱される形で提供され、多くのユーザーを獲得しました。Photoshopとの親和性が非常に高く、共通のユーザーインターフェースを採用していたため、両ソフト間をワンクリックで切り替えることが可能でした。

ImageReadyには、GIFアニメーションを作成するためのアニメーションパレットや、画像を複数のファイルに分割して保存するスライス機能、マウスポインタの動きに反応するロールオーバー機能など、Webページ制作に必要な画像編集機能が搭載されていました。しかし、ImageReadyが出力するHTMLやスクリプトの品質には、Webアクセシビリティの観点から見ると、課題が残る部分もありました。また、Webに特化した製品であるため、カラーモードはRGBのみ、保存形式はPSD、JPEG、GIF、PNG、（WBMP）に限定されるなど、ビットマップ画像編集ソフトとしては機能が限定的でした。

2005年にアドビがマクロメディアを買収したことにより、競合製品であったFireworksがAdobe Creative Suiteシリーズに組み込まれました。さらに、CS3ではアニメーション機能などがPhotoshop Extendedに統合されたため、ImageReadyはその役割を終え、CS2を最後のバージョンとして開発が終了しました。

バージョン

ImageReadyは、4回目のリリース時にPhotoshopとバージョンを同期させたため、リリース回数とバージョン表記にはずれがあります（4、5、6は存在しません）。

1998年: Adobe ImageReady 1.0
1999年: Adobe ImageReady 2.0 - Photoshop 5.5に同梱
2000年: Adobe ImageReady 3.0 - Photoshop 6.0に同梱
2002年: Adobe ImageReady 7.0 - Photoshop 7.0に同梱
2003年: Adobe ImageReady CS (8.0) - Photoshop CSに同梱
2005年: Adobe ImageReady CS2 (9.0) - Photoshop CS2に同梱
2007年: Adobe Photoshop CS3 Extendedに機能統合され開発終了

競合製品

Macromedia Fireworks（現Adobe Fireworks）

ImageReadyは、Webデザインの黎明期において、画像編集の効率化に貢献した重要なソフトウェアでした。Photoshopとの連携やWeb特有の機能は、当時のWebデザイナーにとって不可欠なツールでした。しかし、技術の進化と市場の変化に伴い、その役割を終えることとなりました。

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