Adobe Soundboothは、
アドビが販売していたプロフェッショナル向けのオーディオ編集
ソフトウェアです。その直感的なインターフェースと強力な編集機能は、多くのオーディオクリエイターに利用されていました。しかし、
Adobe Creative Suite 5.5(CS5.5)において、
Adobe Auditionに統合され、その役割を終えました。
主な機能と特徴
Soundboothは、特に以下の機能と特徴を備えていました。
Adobeサウンドドキュメント(ASND)形式: 複数のオーディオトラックを1つのファイルとして扱える独自のASND形式を採用していました。この形式は非破壊編集を可能にし、元のオーディオ素材を損なうことなく編集作業が行えました。また、Adobe Premiere Proなどの他のアドビ製品との間で、このファイルを容易に共有できました。さらに、プロジェクトのスナップショット機能を使用すると、以前の作業状態に簡単に戻ることができ、柔軟な編集フローを実現していました。
スピーチ検索: 音声認識技術を搭載しており、オーディオ素材内の会話をテキストデータ化し、メタデータとして扱うことができました。これにより、特定の会話箇所を素早く検索したり、トランスクリプトを作成するのに役立ちました。この機能は、特に長時間のオーディオ素材を扱う際に、編集効率を大幅に向上させました。
Soundboothスコアの追加: CS5では、利用可能なスコアの数が増加し、より多様な音楽制作が可能になりました。
Adobe Dynamic Link: Soundbooth CS4、
Adobe Premiere Pro CS4、After Effects CS4の間で、中間ファイルを介さずに直接連携できました。あるアプリケーションで行った変更が、他のアプリケーションに即座に反映されるため、効率的なワークフローが実現しました。ただし、この機能はProduction Premiumなどのスイート製品に搭載されており、単体購入の場合は利用できませんでした。
周波数スペクトル表示: オーディオ素材の音を周波数ごとにスペクトル表示することができました。これにより、音の周波数成分を視覚的に確認し、より精密な編集や調整が可能になりました。例えば、特定の周波数帯域のノイズを特定して除去する際などに役立ちました。
その他の情報
Soundboothは、その使いやすさと強力な機能により、オーディオ編集の現場で幅広く活用されていました。しかし、Auditionへの統合により、その機能はAuditionに引き継がれ、さらなる進化を遂げています。
外部リンク
Soundbooth 製品情報(日本語版)
これらの情報を基に、Adobe Soundboothがどのような
ソフトウェアであったか、その特徴と機能、そしてその後の展開についてご理解いただければ幸いです。