Advanced Power Management

Advanced Power Management（APM）は、PC/AT互換機|PC_AT互換機で使用されていた電源管理インタフェースであり、1991年にインテルとマイクロソフトによって策定されました。

APMの概要

APMは、Basic Input/Output System|Basic Input_Output System（BIOS）の呼び出しを前提としたインターフェースです。オペレーティングシステム（OS）側からBIOSを呼び出すことが可能であれば、OSの種類に関わらず利用できるという特徴がありました。BIOS呼び出しのインターフェースとしては、リアルモード、仮想86モード、そして32ビットBIOS呼び出しがサポートされていましたが、32ビットBIOS呼び出しの初期化には、前述の2つのモードのいずれかを使用する必要がありました。

APMの主な機能は、ソフトウェアによる電源操作、メモリイメージを保持したままCPUや周辺機器の電源を切ることで消費電力を抑えるサスペンド/リジューム機能、そしてバッテリーの管理などです。当初は主にノートパソコンに搭載されていましたが、ソフトウェアによる電源操作インターフェースとして、デスクトップパソコンにも導入されました。

APMの終焉

モバイル用途として開発された80386SL以降のCPUでは、APMの実装を支援する機構が搭載されていました。それはシステムマネジメントモード（SMM）と呼ばれる動作モードであり、OSからはトラップできない特殊な割り込みを契機に移行し、電源管理イベントなどを処理します。APMでは、OS側に電源管理イベントが通知されることはなく、OS側が状況を把握するためには、BIOS呼び出しによって定期的にポーリング（状態確認）する必要がありました。

APMは、基本的な機能のみが規定されており、一部の周辺機器の電源管理に関しては規定があったものの、補助的な電源管理機能はベンダーによって公開されていないハードウェアレジスタやBIOSインターフェースなどを通してアクセスするデバイスドライバによって提供されていました。そのため、APMは限界を露呈しつつありました。また、BIOSの実装も複雑であり、OSとの競合も発生しやすいという問題点がありました。

これらの問題を背景に、APMは2005年までにAdvanced Configuration and Power Interface（ACPI）にその地位を譲り、その役割を終えました。ACPIは、より柔軟で拡張性の高い電源管理を可能にし、APMが抱えていた問題を解決しました。

APMに関する参考情報

* Advanced Power Management (APM) BIOS Interface Specification Revision 1.2 (インターネットアーカイブ)

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