All rights reversed

All Rights Reversed（オール・ライツ・リバースド）

「All Rights Reversed」とは、著作物をコピーレフトライセンスの下で公開する際に使用されるフレーズです。この言葉は、1910年に締結されたブエノスアイレス条約で規定された一般的な著作権の表現「All rights reserved」をもじった形で生まれました。コピーレフトは、著作権の反対の概念として、著作物の自由な使用、改変、配布を許可するもので、特にオープンソースソフトウェアにおいて広く用いられています。

このライセンスの発端は、1960年代後半に作家のグレゴリー・ヒルが著書『プリンキピア・ディスコルディア』の自由な転載を許可する際にこの表現を使用したことにあります。彼は自身の著作物を自由に使ってもらうために、通常の著作権マーク「©」の代わりに、カーシェル「Ⓚ」（カリスティ）をシンボルとして添えました。このスタイルは「All Rights Reversed」での著作権の考え方を強調しており、独特のライセンス形態を保障しています。

さらに1984年には、プログラマーのドン・ホプキンスがリチャード・ストールマンに手紙を送り、その中で「Copyleft — all rights reversed」というフレーズを提案しました。ストールマンは、この表現を彼自身の自由ソフトウェア配布方法の識別に用いることにしました。このようにして、コピーレフトという概念はより広がり、一般にも認知されるようになりました。

「All Rights Reversed」は、その言葉遊びに加え、ホモニムとして「All」「Rites」「Reversed」といった単語の解釈も可能で、著作物を公開する際に「これは著作権で保護されていないため、自由に利用して構いません」という意思を表すために使われることがあります。また、コピーレフトされた素材を利用する際でも、この表現が見られることがあります。

このライセンスの理念は、創作者やプログラマーにとっても重要な意味を持っています。著作物の自由な利用が促進されることで、創造の連鎖が生まれ、技術やアートの発展にも寄与することが期待されています。たとえば、オープンソースキャラクターの「ジェニー・エブリーホェア」は「All Rights Reversed」ライセンスの下で公開されています。これにより利用者たちは自由に彼女を使った作品を創出することができます。

「All Rights Reversed」は、著作権の在り方を問い直すきっかけとなる言葉であり、その背景には自由な文化を育むための強い意思が込められています。今後もこの考え方が広がっていくことが、著作物の利用や創作活動において重要なポイントとなるでしょう。

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