All time Lovin'

豊崎愛生の3枚目のオリジナルアルバム『all time Lovin'』は、2016年3月23日にリリースされました。このアルバムは、豊崎自身が「大好きな宝物をつめこんだ宝箱」と表現するように、彼女の音楽的な好みが色濃く反映された作品となっています。

制作背景には、好きなアーティストからの楽曲提供やライブでの観客との交流を通して、まるでプレゼントを受け取っているかのような気持ちを抱いている豊崎の想いがあります。幼少期に大切なお気に入りをクッキー缶にしまっていた記憶から、本作を子供時代の宝物のようにしたいと考え、「私が好きなものだったら、何でもアリ」というスタンスで制作に臨みました。

前作『Love letters』以降、豊崎は田村歩美、佐藤タイジ、つじあやの、蔡忠浩など、様々なアーティストとのコラボレーションを通じてシングルを発表。その2年半の間に、その時々の想いや興味を音楽活動に取り入れ、「豊崎愛生」というアーティストの人間性を鮮明に描き出しました。例えば、佐藤タイジにグラムロック『叶えたまえ』を依頼したり、活動スピードが速いと感じて立ち止まりたい気持ちから『ポートレイト』が生まれたり。楽曲はディレクターやスタッフの提案から始まることもありますが、歌詞は豊崎自身の感情から生まれています。

音楽レビューサイト「Mikiki」の森朋之は、豊崎の素直な感情がアルバムの生き生きとしたムードに繋がっていると評価しています。また、幅広い楽曲を歌うことでシンガーとして成長できたのではないかという問いに対し、豊崎は「カッコつけようとするほど、上手く歌おうとするほど、自分の良くないところが出てしまう」と否定。必死になっている瞬間の歌の方が良いと考え、一生懸命に歌うことの大切さに気づいたと語っています。

アルバム収録曲は以下の通りです。

1. 銀河ステーション: コトリンゴとmitoに「エモい曲」を依頼した楽曲。宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』をモチーフに、亡くなった友との旅を描いた、華やかさと憂いが交錯する一曲です。
2. クローバー: アルバムのリード曲。aokadoが手掛けた、柔らかく優しい、和のテイストも感じられる楽曲で、アルバム全体を総括するような存在です。
3. Uh-LaLa: 夏をコンセプトに制作された楽曲。つじあやのの歌詞と関淳二郎の編曲が、心躍る夏の情景を描き出します。スフィアの戸松遥もカバーしています。
4. 恋するラヴレター: ロックンロールに挑戦した楽曲。ROLLYが手掛け、すかんちの『恋するマリールー』を意識したタイトルとなっています。
5. ほおずき: 蔡忠浩が初めて豊崎の楽曲を手掛けた楽曲。夏の終わりの郷愁を誘う、ダブミックスが印象的なナンバーです。
6. ディライト: 2ndツアーで初披露された楽曲。田村歩美が手掛けた、人生の岐路に立つ人に寄り添う春ソングです。高垣彩陽がカバーしています。
7. トマト: 女性から男性へのラブソング。じんプラットホームが作詞・作曲、橋口靖正が編曲を担当。大切な人へ向けた、温かいラブソングです。
8. ポートレイト: 中村僚と友の兄弟が手掛けたピアノバラード。古屋真の歌詞と豊崎の丁寧な歌唱が感動を呼びます。
9. 叶えたまえ: 佐藤タイジが手掛けたグラムロック。時空を超えた大きな愛を歌っています。
10. シャムロック: 古屋真と関淳二郎が手掛けた、軽快なビートが心地よい楽曲です。
11. タワーライト: 永野亮に東京タワーをテーマに依頼した楽曲。豊崎がギターを演奏し、永野がコーラスで参加しています。
12. 一千年の散歩中: 安藤裕子による楽曲で、アルバムのラストを飾るバラード。前向きな気持ちにさせてくれる、等身大の自分を歌った曲です。

アルバムは初回生産限定盤と通常盤の2形態で発売され、初回生産限定盤には『クローバー』のミュージックビデオなどを収録したDVDが付属しました。オリコンチャートでは最高10位を記録しています。

アルバムの発売後には、全国ツアー「豊崎愛生 3rdコンサートツアー2016 The key to Lovin'」が開催され、各地で熱いライブパフォーマンスを繰り広げました。ツアーの模様はBlu-rayとして映像化もされています。

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