AlmaLinux

AlmaLinuxは、CloudLinux社によって開発された、無償で利用できるオープンソースのLinuxディストリビューションです。その主な目的は、Red Hat Enterprise Linux (RHEL) とのバイナリ互換性を維持し、本番環境での利用に耐えうる、コミュニティによってサポートされるオペレーティングシステムを提供することです。RHELの代替となるディストリビューションとして、多くのユーザーから支持されています。

歴史

AlmaLinuxの開発は、Red HatがCentOSの開発方針を転換したことに端を発します。2020年12月8日、Red Hatは、RHELのダウンストリーム版であったCentOSの開発を中止し、RHELのアップデートプレビューを目的としたCentOS Streamの開発に注力すると発表しました。これに対し、CloudLinux社は、自社が開発する商用Linuxディストリビューション「CloudLinux OS」の技術を基盤に、RHELとのバイナリ互換性を維持したまま、コミュニティ主導で開発・維持されるCentOSの精神的後継となるAlmaLinuxの開発に着手しました。

AlmaLinuxの最初のベータ版は2021年2月1日にリリースされ、その約2ヶ月後の2021年3月30日に最初の安定版が公開されました。AlmaLinux 8系のサポートは2029年まで行われる予定です。また、AlmaLinuxの開発と管理をCloudLinux社から引き継ぐために、The AlmaLinux OS Foundationが設立され、プロジェクトに対して年間100万ドルの資金提供が約束されました。

"Alma"という名前は、スペイン語で「魂」を意味する言葉に由来しており、Linuxコミュニティへの敬意を表すために選ばれました。これは、AlmaLinuxがコミュニティ主導で開発され、Linuxの精神を尊重する姿勢を示すものです。

さらに、2023年5月22日には、日本のLinuxディストリビューションであるMIRACLE LINUXがAlmaLinuxプロジェクトに参加し、CloudLinux社との協業を発表しました。サイバートラスト社が開発するMIRACLE LINUXは、次期バージョンからAlmaLinuxに統合される方向性も明らかにしました。現在、MIRACLE LINUXの開発エンジニアがAlmaLinuxの開発コミュニティに参加し、貢献しています。

リリース

AlmaLinuxは、RHELのリリースの数日後にリリースされることが多く、RHELとの互換性を迅速に提供しています。セキュリティサポート期間は、バージョン8系が2029年5月1日まで、バージョン9系が2032年5月31日までとなっています。これにより、長期にわたる安定した運用が可能です。

関連項目

Rocky Linux：RHEL互換のLinuxディストリビューションとして、AlmaLinuxと同様に注目されているディストリビューション。

参考文献

AlmaLinux 公式サイト
AlmaLinux Blog
AlmaLinux Announcement
AlmaLinux Wiki
Linux/'>AlmaLinux Reddit
AlmaLinux Mirror list
AlmaLinux Source Repository
* AlmaLinux Bug Tracking

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