Amazon Aurora

Amazon Auroraとは

Amazon Auroraは、Amazon Web Services（AWS）が提供するクラウドベースの関係データベースサービスです。2014年10月にサービスを開始し、Amazon Relational Database Service（RDS）の一部として利用できます。MySQLおよびPostgreSQLとの互換性を持ち、高いパフォーマンスと可用性を実現します。

歴史

Auroraは当初、MySQL互換のサービスとしてリリースされました。その後、2017年10月にはPostgreSQLとの互換性が追加され、より幅広いデータベースニーズに対応できるようになりました。

機能面では、2017年8月にAurora Fast Cloning（Copy-on-write）機能が導入され、高速かつコスト効率の高いデータベース複製が可能になりました。2018年5月には、Aurora Backtrack機能が追加され、データベースを過去の状態に迅速に巻き戻せるようになりました。さらに、2018年9月には、Auroraクラスターの一時停止と再開機能が導入され、コスト最適化が向上しました。また、2018年8月にはサーバーレス版の提供も開始され、柔軟な運用が可能になりました。

2019年には、Auroraの開発チームがクラウド環境向けの関係データベースストレージの革新的な再設計を評価され、SIGMODのSystems Awardを受賞しました。

特徴

Auroraは、データベースストレージを必要に応じて10GB単位で最大128TBまで自動的に拡張します。また、可用性と耐障害性を高めるために、3つのアベイラビリティーゾーンに渡ってデータを6方向にレプリケートします。さらに、クエリスループットやレイテンシなどのパフォーマンスメトリクスを提供し、高速なデータベースクローン機能も備えています。

マルチマスター構成を利用することで、複数のアベイラビリティーゾーンにまたがるAuroraデータベース内に複数の読み書き可能なインスタンスを作成できます。これにより、重要なアプリケーションに対して、インスタンスの障害が発生した場合でも継続的な書き込み可用性を保証します。

MySQLとの互換性

Auroraは、MySQLとの高い互換性を持つように設計されており、既存のMySQLデータベースで使用されているツール（mysqlコマンドラインクライアントやMySQL Workbenchなど）を利用できます。ただし、全てのMySQLオプションと機能が利用できるわけではありません。2016年9月時点では、Amazon AuroraはMySQL 5.6および5.7との互換性があり、ストレージエンジンとしてInnoDBをサポートしています。

性能

Amazonのベンチマークテストによると、AuroraはMySQLと比較して、同じハードウェア上で最大5倍の性能向上を達成しています。これは、データベースワークロードに特化したSSDベースの仮想化ストレージレイヤー、ストレージシステムへの書き込み削減、ロック競合の最小化、データベースプロセスの遅延削減などの最適化によるものです。第三者によるテストでも、一部のワークロードとインスタンスタイプの組み合わせにおいて、Auroraが競合データベースよりも優れた性能を示しています。

その他の情報

Auroraは、クラウド環境でのデータベース運用を効率化し、高いパフォーマンスを求めるユーザーにとって有力な選択肢です。自動スケーリング、高可用性、高速クローン作成など、多くの便利な機能を提供しています。AWSの他のサービスとの連携も容易で、現代のアプリケーション開発に最適なデータベースソリューションと言えるでしょう。

関連項目

Amazon Relational Database Service
Amazon DocumentDB（MongoDB互換）

参考文献

Amazon Aurora
Amazon Aurora とは

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