Amazon Relational Database Service

Amazon Relational Database Service (RDS) について



Amazon Relational Database Service (RDS) は、Amazon Web Services (AWS) が提供するクラウドベースのリレーショナルデータベースサービスです。このサービスは、ユーザーがリレーショナルデータベースの設定、運用、およびスケーリングを容易に行えるように設計されています。

RDSの主な特徴



  • - クラウドベース: AWS のインフラストラクチャ上で動作し、柔軟性とスケーラビリティを提供します。
  • - 管理の簡素化: データベースソフトウェアのパッチ適用、バックアップ、ポイントインタイムリカバリなどの複雑な管理プロセスを自動化します。
  • - スケーラビリティ: ストレージとコンピューティングリソースは、単一の API 呼び出しで簡単にスケールアップ/スケールダウンできます。
  • - 多様なデータベースエンジン: MySQL、Oracle Database、Microsoft SQL Server、PostgreSQL、MariaDB など、複数のデータベースエンジンをサポートします。
  • - 高可用性: マルチ AZ 配置による高可用性構成に対応し、可用性とデータの耐久性を向上させることができます。
  • - パフォーマンス監視: AWS Management Console または Amazon CloudWatch API を使用して、パフォーマンスメトリクスを監視できます。

データベースエンジンのサポート



RDS は、以下のデータベースエンジンをサポートしています。

  • - MySQL: 2009年10月22日に最初にサポートが開始されました。
  • - Oracle Database: 2011年6月にサポートが追加されました。
  • - Microsoft SQL Server: 2012年5月にサポートが追加されました。
  • - PostgreSQL: 2013年11月にサポートが追加されました。
  • - MariaDB: 2015年10月にサポートが追加されました。
  • - Amazon Aurora: MySQL と PostgreSQL 互換の高性能データベースエンジンで、2014年11月に発表されました。

機能の詳細



マルチ AZ 配置


  • - 運用環境向けの機能で、可用性とデータ耐久性を向上させます。
  • - 異なるアベイラビリティゾーンに同期されたスタンバイレプリカを自動的に作成し、維持します。
  • - 計画メンテナンスや予期しない障害が発生した場合、自動的にスタンバイにフェイルオーバーします。
  • - オプション機能で、追加コストが発生します。

リードレプリカ


  • - MySQL、MariaDB、PostgreSQL インスタンスの読み取り専用レプリカを作成できます。
  • - 各データベースエンジンのネイティブな非同期レプリケーション機能を使用します。

パフォーマンスメトリックスとモニタリング


  • - AWS Management Console または Amazon CloudWatch API からパフォーマンスメトリクスを確認できます。
  • - 拡張モニタリング機能を利用すると、より詳細なメトリクスを収集できます。

料金体系



RDS の料金体系は Amazon EC2 と似ており、以下の要素に基づいています。

  • - 時間単位のインスタンスコスト: オンデマンドインスタンスとリザーブドインスタンスの 2 つの料金モデルがあります。
- オンデマンドインスタンスは、使用時間に応じて料金が発生します。
- リザーブドインスタンスは、長期利用を前提とした割引料金が適用されます。
  • - プロビジョニングされたストレージ容量: 使用するストレージ容量に対して料金が発生します。
  • - データ転送量: インスタンスとの間で行われるデータ転送量に対して料金が発生します。
  • - I/O 操作: 入出力操作の回数に対して料金が発生します。
  • - プロビジョンド IOPS: アプリケーションのニーズに応じて秒あたりの I/O 操作数を指定でき、これによりコストが変動します。

データベースインスタンスタイプ



2016年7月時点で、RDS は 27 種類の DB インスタンスタイプをサポートしており、さまざまなワークロードに対応できます。

  • - 最新世代のインスタンスは 18 種類あります。
  • - 旧世代のインスタンスも利用可能です。

競合と代替



RDS と類似のクラウドデータベースサービスは、他のベンダーからも提供されています。

  • - Oracle Cloud: オラクルのデータベース技術をサポートします。
  • - Windows Azure SQL: マイクロソフトの SQL データベースをサポートします。
  • - その他の競合サービス: RackSpace クラウドデータベース、Google Cloud SQL、HP Cloud for MySQL などがあります。

まとめ



Amazon RDS は、リレーショナルデータベースの運用を大幅に簡素化し、スケーラビリティと可用性を向上させる強力なクラウドサービスです。多様なデータベースエンジンと柔軟な料金体系により、様々なニーズに対応できます。AWS の他のサービスと連携することで、さらに高度なアプリケーションの構築が可能です。

参考文献



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