AmebaVision

AmebaVision（アメーバビジョン）

AmebaVisionは、サイバーエージェントが運営していた動画共有プラットフォームであり、かつて多くのユーザーに愛されていました。このサービスは、最初は単なる動画配信にとどまっていましたが、2006年7月にはユーザーが動画を投稿できる機能が追加されました。対応していたファイル形式には、AVI、WMV、MPEG-4、MOV、3GPP、AMC、FLV、MPEG-1、3GP、3G2、VOBがあり、個々のファイルの上限サイズは100MBであり、ユーザーの合計ファイル量は2007年1月31日から無制限に変更されました。

AmebaVisionでは、APIも公開されており、運営の都合上、初期の期間はニコニコ動画のAPIを利用していました。しかし、ニコニコ動画の人気が急上昇したため、システムへの負荷が大きくなり、運営側では専用回線を設けたものの、依然として高い負荷が続く状況が報告されていました。

サービスの特徴と利用状況

AmebaVisionでは、2008年10月までに60万本以上の動画が投稿されるなど、多くのコンテンツが提供されていました。テレビ局や雑誌とのタイアップによるレギュラー番組も放送されており、ユーザーにとって魅力的なコンテンツが揃っていました。投稿者が新規アカウントを作成すると、アメーバブログも同時に作成されるため、AmebaVisionのユーザーは多くの場合、アメーバブログを開設していたことが特徴的です。また、AmebaVisionの動画は、アメーバ会員でなくても視聴することができたため、より多くの人々にアクセスされやすい構造でした。

モバイル版も用意され、NTTドコモ、au、SoftBankの新型携帯電話を利用するユーザーは、動画再生が可能でした。このため、モバイル向けのコンテンツも充実していました。

AmebaVisionでは、著作権に違反する動画には運営側が積極的に対応し、独自に判断して削除する体制がありました。ただし、個別の通報への対応が遅れることもあったため、円滑な運営が求められました。特に、2007年4月には東京都知事選挙の候補者の政見放送が無断転載され、選挙管理委員会から削除依頼があったこともあります。

2009年8月1日までは一部のアダルトな内容の動画も許可されており、「おとなフィルター」を用いた対応がされていましたが、最終的にはその方針も廃止されました。

サービス終了までの経緯

AmebaVisionは、有名人や著名な人物が動画を投稿することで話題を集めていましたが、2010年3月31日に原宿にあるアメーバスタジオが運営を終了しました。これがAmebaVisionの青信号となり、最終的に2012年3月27日にサービス終了の発表がされました。この日の影響で、投稿の受け付けは同年6月5日で終了し、その後は動画の視聴や投稿者による保存用のダウンロードのみが許可されました。また、動画の公共の再生や保存目的のダウンロードも2013年1月22日で終了し、一連のサービスは完全に消去されました。

影響と関連サービス

AmebaVisionの後身にあたるサービスとしては、FRESH! by CyberAgentやAbemaTVなどがあり、これらは生放送中心の動画配信サービスとして展開されています。AmebaVisionはその時代の流れを反映しつつも、多くのユーザーに影響を与えた歴史的なプラットフォームとして位置づけられるでしょう。

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