AmigaOne

AmigaOneは、PowerPC Open Platformをベースに構築された、AmigaOS 4.0を動作させるためのプラットフォームです。これは、従来の680x0系Amigaとは根本的に異なるアーキテクチャを採用しており、旧来のAmigaOS 3.xを直接実行することはできません。

当初、AmigaOneという名前は、APUS（Amiga Power Up System）のような、Amiga 1200やAmiga 4000を拡張するハードウェア構想の中で登場しました。しかし、このプロジェクトは開発中止となり、AmigaOneの名称は、PowerPC Open Platformをベースとしたメインボード製品へと引き継がれることになりました。この製品版AmigaOneは、MPUにPowerPC G3またはPowerPC G4を搭載しています。

製品発売当初、AmigaOS 4.0の開発は間に合わず、ユーザーには後日無償提供するという条件で、SuSE Linux for PowerPCまたはDebian for PowerPCが添付されて出荷されました。AmigaOneは結局、AmigaOS 4.0の正式リリースを待つことなく生産終了となってしまいましたが、2006年12月24日にAmigaOne向けのAmigaOS 4.0がリリースされると、AmigaOneユーザーに対しては、AmigaOS 4.0のISOイメージがダウンロード形式で提供されました。

AmigaOneの登場は、Amigaプラットフォームが新たな時代へと進む転換点となりました。PowerPCアーキテクチャへの移行は、Amigaがより高性能な環境で動作することを可能にしましたが、同時に過去の遺産との互換性を失うという課題も生み出しました。AmigaOneの歴史は、Amigaコミュニティにおける技術的な進化と、その変遷を象徴する出来事と言えるでしょう。

関連事項

AmigaOS: AmigaOneで動作するオペレーティングシステム。
Amiga: AmigaOneの前身となるコンピュータシリーズ。
PowerPC: AmigaOneのアーキテクチャの基盤。
Linux: AmigaOne出荷時に一時的に添付されたオペレーティングシステム。

もう一度検索