AnTuTu

AnTuTu (安兔兔)とは

AnTuTu（あんつつ、簡体字：安兔兔）は、中華人民共和国の北京に本社を置くソフトウェア開発企業であり、モバイル端末向けのベンチマークアプリケーションを中心に開発・提供しています。

概要

起業家のShào Yīng (邵英)とLiáng Bīn (梁斌)によって設立されました。AnTuTu Benchmarkをはじめとするベンチマークアプリが主力製品であり、OSに深く関わるシステム関連のソフトウェアが多いのが特徴です。

製品

複数の製品がクロスプラットフォームで提供されていますが、ここでは特にAndroid端末向けの製品を中心に解説します。

AnTuTu Benchmark

PC、スマートフォン、タブレットなど、様々なプラットフォームに対応したベンチマークソフトウェアです。特にモバイル端末向けとしては事実上の業界標準としての地位を確立しており、「AnTuTu」と言えば、一般的にはAnTuTu Benchmarkを指すことが多いです。Android版は日本語化されていますが、iOS版は英語と中国語のみで、広告も中国向けであるため、他国で広告をタップするとエラーが表示される場合があります。

提供と削除騒動

2020年3月上旬には、Google Playから突然削除されるという事態が発生しました。AnTuTu側はこれを誤解であると主張し、公式サイトから最新版のApkファイルをダウンロードできるように対応しました。

チート対策

AnTuTu Benchmarkは広く利用されているため、ハードウェアメーカーによるチート行為の対象となることがあり、計測結果の信頼性が問題視されることもありました。これに対抗するため、2013年にはチート行為を困難にする「AnTuTu X Benchmark」を開発。端末がroot化されている場合などに警告を表示する機能を実装しました。

類似ソフトウェア

AnTuTu Benchmarkに近いアルゴリズムで動作するベンチマークアプリも存在します。例えば、総合情報通信技術研究機関 ADSが開発したWindows用アプリ「Real-time benchmark」は、連続的な計測に特化しており、タスクマネージャーよりもCPU負荷が低いため、負荷試験に応用できます。また、同機関はウェブ上でJavaScriptの実行速度や通信速度を計測するサービスも提供しており、OSやプラットフォームに依存せず利用できるため、汎用性が高いと言えます。

AnTuTu Go

AnTuTu Benchmarkから複雑な演算処理を省き、軽量化を図ったバージョンです。動作は軽快ですが、計測精度はAnTuTu Benchmarkに劣り、計測ルーチンも異なるため、単純な数値比較はできません。

AnTuTu 3DBench

3Dオブジェクトの描画速度を計測するベンチマークソフトです。AnTuTu BenchmarkのGPU計測機能とは異なり、独立したベンチマークとして提供されています。

AnTuTu Tester

バッテリーの状態やタッチパネルの不具合を検証できるツールです。ただし、性能劣化や不具合の発見に留まり、バッテリー修復機能などは搭載されていません。

AnTuTu Power Saver

バッテリー消費を抑えるための省電力アプリです。CPUの演算速度を制御する機能などを搭載しており、root化された端末などでより効果を発揮します。

AnTuTu Lite / AnTuTu 3DBench Lite

低スペック端末向けに、AnTuTu Benchmarkおよび3DBenchを軽量化したバージョンです。RAM容量やSoCの関係で標準版が動作しない端末でも利用できます。

この他にも、Smart Profiles、3DRating、AnTuTu Video Testerなど、様々なアプリがリリースされています。

もう一度検索