Android Native Development Kit

Androidネイティブ開発キット (Android NDK)

Androidネイティブ開発キット（NDK）は、Androidオペレーティングシステムで動作するアプリケーションをC言語またはC++で開発できるようにするためのソフトウェア開発キットです。これによって開発者は、ネイティブコードを使用して、より高いパフォーマンスを実現するアプリケーションを作成することができます。NDKには、GCC/Clangツールチェイン、標準CライブラリであるBionic libc、標準C++ライブラリのlibstdc++/libc++、さらにAndroidネイティブAPIが含まれています。

NDKの特徴と利点

通常、AndroidアプリはJavaまたはKotlinといったマネージドコードを用いて開発されます。これらのマネージド言語はメモリの管理や生産性において優れていますが、ネイティブコードの使用によりCPUアーキテクチャ固有の命令を活用することで、パフォーマンスを向上させることが可能です。また、OpenCVなど、既に存在しているC/C++ライブラリを活用する際にも、NDKは非常に役立ちます。

一方で、NDKを使用する際のデメリットとして、異なるCPUアーキテクチャごとにバイナリを用意する必要があることが挙げられます。これにより、開発プロセスが複雑になることがあります。

ネイティブアプリの開発

Android 2.3以降はNativeActivityがサポートされ、C/C++だけでアプリを開発することも可能になっています。JVMとネイティブコードの間のやり取りには、Java Native Interface（JNI）を利用します。上位レベルのAPIやGUIライブラリはAndroid SDKに含まれており、多くはマネージド言語向けに提供されていますが、C/C++から利用する場合はJNIを経由する必要があります。

NDKに含まれるAndroid固有のネイティブAPIは、一般に「A」で始まる名前が付けられ、JVM言語用APIに似た形式で提供されています。このようにして、デベロッパーはAndroidの機能をネイティブコードで活用することができます。

バージョン間のサポート

NDKの各バージョンでは、古いAndroid OSのサポートが段階的に打ち切られています。具体的には、バージョンr18ではIce Cream Sandwich（Android 4.0; API 14, 15）のサポートが終了しました。さらに、r24ではJelly Bean（Android 4.1-4.3; API 16-18）が、r26ではKitKat（Android 4.4; API 19-20）のサポートが終了しています。このため、開発者は最新のNDKを使用する際は、対象とするAndroidバージョンに留意する必要があります。

まとめ

Android NDKは、高性能なアプリケーションの開発を可能にする強力なツールであり、ネイティブコードとしての利点を活かした開発手法を提供します。NDKを通じて、C/C++の既存資産を効果的に利用し、アプリのパフォーマンスを向上させながら、幅広い機能を実装することができます。

もう一度検索