Apache ActiveMQ

Apache ActiveMQは、Java Message Service（JMS）を実装した、オープンソースのメッセージングミドルウェアです。Apache License 2.0の下で提供されており、企業システムにおけるメッセージング基盤として広く利用されています。ActiveMQは、単なるメッセージング機能だけでなく、クラスタリング、メッセージの永続化、多様なプロトコルとプラットフォームへの対応など、エンタープライズ環境で必要となる高度な機能を提供している点が特徴です。

主な特徴

JMS準拠: Java Message Service (JMS) APIに準拠しており、JMSを利用したアプリケーションとの連携が容易です。
多様なプロトコルサポート: JMSだけでなく、MQTT、STOMP、AMQPなど、複数のメッセージングプロトコルに対応しています。これにより、様々なシステムやデバイスとの連携が可能です。
多言語サポート: Javaだけでなく、.NET、C/C++、Delphi、Perl、Python、PHP、Rubyなど、多くのプログラミング言語から利用できます。これは、様々な言語で開発されたアプリケーションをActiveMQと統合できることを意味します。
クラスタリング: 複数のActiveMQサーバーを連携させてクラスタを構成できます。これにより、可用性やスケーラビリティを向上させることができます。
メッセージ永続化: メッセージをファイルシステムやデータベースに永続化することができます。これにより、サーバーの障害時にもメッセージが失われることを防ぎ、データの信頼性を高めることができます。
エンタープライズ機能: 仮想マシン、キャッシュ、ジャーナリング、データベースをJMS永続性プロバイダとして利用できるなど、企業システムで求められる様々な機能が提供されています。
* 柔軟な構成: ActiveMQは、様々な構成で利用することができます。例えば、スタンドアロン環境、クラスタ環境、分散環境など、システムの要件に合わせて柔軟に構成を変更できます。

利用シーン

ActiveMQは、エンタープライズ・サービス・バス（ESB）の実装に多く利用されています。例えば、Apache ServiceMix、Apache Camel、Talend Enterprise ESB、Mule ESBなどのESB製品で、ActiveMQがメッセージング基盤として採用されています。また、SOA（サービス指向アーキテクチャ）インフラプロジェクトでも、Apache CXFなどのフレームワークと組み合わせて利用されることがよくあります。

企業向けサポート

ActiveMQは、オープンソースであるため、無償で利用することができます。しかし、企業システムで利用する場合には、専門的なサポートが必要になることがあります。このような場合に備えて、IONA Technologiesなどの企業から、有償のサポートを受けることができます。また、FUSE Message Brokerという名称で、テスト済みのエンタープライズ版ActiveMQも販売されています。

まとめ

Apache ActiveMQは、エンタープライズ環境での利用を前提とした、信頼性と柔軟性の高いメッセージングミドルウェアです。JMS準拠、多言語対応、クラスタリング、メッセージ永続化など、豊富な機能を備えており、様々なシステムやアプリケーションとの連携に活用できます。また、オープンソースであるため、開発コミュニティによるサポートも充実しており、企業システムだけでなく、個人利用でも安心して利用することができます。

もう一度検索