Apache Tomcat

Apache Tomcatは、JavaサーブレットやJavaServer Pages (JSP) を実行するためのWebコンテナ（サーブレットコンテナ、サーブレットエンジン）として広く利用されています。Apache License 2.0を採用したオープンソースソフトウェアであり、その高い安定性と柔軟性から多くのWebアプリケーション開発者に支持されています。

歴史と開発

2005年以降、Apacheソフトウェア財団のトップレベルプロジェクトであるApache Tomcat Projectによって開発が進められています。それ以前は、Jakartaプロジェクト内で開発されていました。

構成要素

Tomcat 5.0以降、以下の主要なコンポーネントを含んでいます。

• - Catalina: Servletコンテナとして機能し、サーブレットの実行環境を提供します。
• - Coyote: HTTPサーバーとしての役割を担い、HTTPリクエストを処理します。
• - Jasper, Jasper2: JavaServer Pages (JSP) の処理エンジンとして、JSPファイルをJavaコードに変換し、実行可能にします。

バージョンと対応Java

各バージョンごとに、対応するJavaのバージョンやサーブレット、JSPの仕様が異なります。

• - バージョン9.0.x: Java Servlet 4.0、JavaServer Pages 2.3に対応しており、Java 8以降が必要です。
• - バージョン10.1.x: Java Servlet 6.0、JavaServer Pages 3.1に対応しており、Java 11以降が必要です。
• - バージョン11.0.x: Java Servlet 6.1、JavaServer Pages 4.0に対応しており、Java 17以降が必要です。

リファレンス実装としての側面

Apache Tomcatは、サーブレットやJSPの公式なリファレンス実装として利用されていますが、厳密にはリファレンス実装そのものではありません。しかし、その実装は事実上の標準として広く認識されています。

HTTPサーバーとの連携

Apache Tomcatは、単体でHTTPサーバーとしても動作し、静的コンテンツの配信も可能です。また、他のHTTPサーバーと連携して利用することもできます。この場合、フロントエンドのHTTPサーバーがリクエストを受け付け、必要に応じてTomcatにリクエストを転送する構成が一般的です。

ただし、外部のHTTPサーバーと連携する場合、一部の高度な機能（例えば、Advanced IO (Comet)）が利用できなくなる場合があります。例えば、Apache HTTP Serverとの連携には、mod_jkやmod_proxy_ajpといったコネクタモジュールが用いられます。

• - mod_jk: Apache HTTP Serverと連携するためのコネクタモジュール。
• - mod_proxy_ajp: Apache 2.2以降で利用可能な、より新しい連携方式。

その他の情報

詳細なリリース履歴や関連情報については、以下の公式ウェブサイトをご参照ください。

• - Apache Tomcat® - Welcome!（公式ウェブサイト、英語）

関連項目

• - Webコンテナ

Apache Tomcatは、Java Webアプリケーション開発において非常に重要な役割を果たしており、その理解は開発者にとって不可欠です。オープンソースであることから、自由に利用、カスタマイズできる点も大きな魅力です。

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