Webコンテナ

Webコンテナとは

Webコンテナ（ウェブコンテナ、Web container）は、Jakarta EE（旧Java EE）アーキテクチャにおけるWebコンポーネント規約を実装したソフトウェアです。特に、Java Servletの実行環境としての役割を担うことから、Servletコンテナ（サーブレットコンテナ、Servlet container）とも呼ばれています。

この規約では、Webコンポーネントが動作するために必要な様々な環境要素が定義されています。具体的には、以下の要素が含まれます。

コンピュータセキュリティ: Webアプリケーションのセキュリティを確保するための機能を提供します。例えば、認証や認可の仕組みなどが含まれます。
並列性: 複数のリクエストを同時に処理するための機能を提供します。これにより、Webアプリケーションのパフォーマンスを向上させることが可能です。
ライフサイクル管理: Webコンポーネントの生成、初期化、破棄といったライフサイクルを管理します。
トランザクション処理: 複数の処理をまとめて1つの処理として扱うための機能を提供します。これにより、データの一貫性を保つことが可能になります。
デプロイ: WebアプリケーションをWebコンテナに配置し、実行可能にするための機能を提供します。

Webコンテナは、これらの機能を提供することで、Webアプリケーション開発者がビジネスロジックに集中できるように支援します。

また、WebコンテナはJava EEプラットフォームAPIを利用することで、JSP（JavaServer Pages）コンテナとしての機能も提供します。これにより、動的なWebページを生成することが可能です。

主なWebコンテナ

様々なWebコンテナが存在しますが、主要なものとしては以下のものが挙げられます。

Apache Tomcat: オープンソースのWebコンテナとして広く利用されており、軽量で柔軟性が高いことが特徴です。
GlassFish: Oracle社が提供するオープンソースのアプリケーションサーバであり、Webコンテナとしての機能も持ちます。
JBoss: Red Hat社が提供するアプリケーションサーバであり、Webコンテナとしての機能に加えて、EJBコンテナとしての機能も持ちます。
Jetty: 軽量なWebコンテナであり、組み込みアプリケーションにも利用されることがあります。
WebSphere Application Server: IBM社が提供するエンタープライズ向けのアプリケーションサーバであり、Webコンテナとしての機能も持ちます。

これらのWebコンテナの中には、ビジネスロジックを扱うEnterprise JavaBeans（EJB）の動作も可能なEJBコンテナとしての機能も併せ持つものもあります。

Webコンテナの役割

Webコンテナは、Webアプリケーションの実行環境を提供するだけでなく、WebアプリケーションとWebサーバ間の橋渡し役も担います。Webサーバからのリクエストを受け取り、適切なWebアプリケーションに処理を委譲し、結果をWebサーバに返す役割を果たします。これにより、Webサーバは静的なコンテンツの配信に専念し、Webコンテナは動的なコンテンツの生成に専念することができます。

まとめ

Webコンテナは、Jakarta EEアーキテクチャにおいて重要な役割を担うソフトウェアであり、Webアプリケーションの実行環境を効率的に管理するために不可欠です。様々な種類が存在しますが、それぞれの特徴を理解し、最適なものを選択することが重要です。

関連項目

Java Servlet
Enterprise JavaBeans
Webサーバ
アプリケーションサーバ

外部リンク

* IT用語辞典e-Words - Webコンテナ

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