Apache XMLプロジェクトは、XML関連のオープンソース
ソフトウェアを開発する団体として、
Apacheソフトウェア財団によって運営されていました。このプロジェクトは、XMLの処理や
Webサービスなどの分野で多くの
ソフトウェアを開発し、Apache
ライセンスの下で提供していました。
プロジェクトは複数のサブプロジェクトから構成されており、それぞれが特定の技術や機能に焦点を当てていました。以下に、主なサブプロジェクトとその詳細を説明します。
主要なサブプロジェクト
活動中のプロジェクト
Xerces: XMLプロセッサ(XMLパーサ)で、Java、C++、Perlで実装されたものが提供されています。DOMとSAXを実装しており、現在ではApache XMLプロジェクトから独立し、トップレベルプロジェクトとして活動しています。元々はIBMのXML4Jという実装がベースでしたが、現在のバージョンは完全に新規に開発されています。
Xalan: XSLT
スタイルシートの処理系で、XPathの機能も実装しています。
Javaと
C++で実装されたものが提供されています。こちらも現在ではApache XMLプロジェクトから独立し、トップレベルプロジェクトとなっています。
IBM/Lotusから寄贈されたLotusXSLがベースとなっています。
FOP: XSL-FOの組版を行う処理系で、Javaで実装されています。XSL-FO形式のXML文書を、画面表示、PDF変換、プリンタ出力などに対応しています。現在はApache XML Graphicsプロジェクトで開発が継続されています。
Forrest:
Apache Cocoon上で利用できる、標準規格に基づいた文書処理・出版フレームワークです。
XML-Security: XMLデータの電子署名と暗号化のセキュリティ機能(XML SignatureとXML Encryptionの実装)を提供するもので、JavaとC++で実装されたものが提供されています。
XML Commons: Apache XMLプロジェクトで共通に使用されるプログラムコードやガイドラインを提供します。
Batik: SVGの表示、編集、他の画像ファイル形式への変換機能を提供するツールおよびJavaライブラリです。Apache XML Graphicsプロジェクトで開発が継続されています。
Axis:
WebサービスプロトコルSOAPの現在の実装であり、WSDL関連の機能も備えています。
Javaと
C++で実装されたものが提供されています。SOAPサブプロジェクトの後継として位置づけられています。
SOAP: SOAPの古い実装です。IBMから寄贈されたSOAP4Jがベースになっています。新規プロジェクトでは、SOAPの代わりにAxisの使用が推奨されています。
XML-RPC: XML-RPC(HTTP上でXMLデータをやり取りして
遠隔手続き呼出しRPCを実現するプロトコル)の
Javaによる実装です。
WSIF: 簡易にWebサービスを呼び出すことができるJava APIです。
活動を停止したプロジェクト
AxKit:
Apache HTTP Server(
Webサーバ)のmod_perlで利用できる、XML技術を用いたWeb出版フレームワークです。
Crimson: Javaで実装されたXMLプロセッサ(XMLパーサ)で、サン・マイクロシステムズから寄贈されました。
Xang: ECMAScript(
JavaScript)による動的な
ウェブページを短期間で開発できるフレームワークです。
Xindice: ネイティブXMLデータベースの実装です。
XMLBeans: XML文書と
Javaのバインディングを行うツールです。
XML Schemaのスキーマファイルをもとに
Javaの
ソースコードを自動生成します(
JavaBeans準拠)。
JaxMe: XML文書とJavaのバインディングを行うツールで、JAXBの実装です。
プロジェクトの終了
Apache XMLプロジェクトは、2012年4月12日にプロジェクトを終了し、Apache Atticに移管されました。これは、プロジェクトが活発な開発段階を終え、メンテナンスフェーズに入ったことを意味します。しかし、このプロジェクトで開発された多くのソフトウェアは、現在も他のプロジェクトやコミュニティによって利用され続けています。
外部リンク
以下に、関連する外部リンクを示します。
Apache XML プロジェクト
Apache Xerces プロジェクト
Apache Xalan プロジェクト
Apache XML Graphics プロジェクト
Apache Web Services プロジェクト
*
日本ApacheXMLプロジェクト
これらのリンクから、各プロジェクトの詳細な情報やドキュメント、ダウンロードなどを参照することができます。