Apple ProRes

ProRes（プロレズ）

ProResは、Appleが開発した不可逆な映像圧縮フォーマットです。ポストプロダクションに特化して設計されており、エンドユーザーが動画を視聴する目的には使用されません。2007年にFinal Cut Pro 6と共に発表されて以来、ProResはビデオ編集の標準として広く利用されています。特に、8Kまでの解像度をサポートし、iPhoneやiMovieでも扱うことができることから、多くの映像制作現場で重宝されています。

概要

ProResは、ビデオ編集作業における中間コーデックとして役立ちます。中間コーデックを使用する主な利点は、エンドユーザー向けのコーデックよりも高品質の映像を維持でき、さらにストレージコストを抑えられる点です。これにより、映像制作者は高画質な素材での編集が可能になります。

ProRes 422は、DCT（離散コサイン変換）に基づき、intra-frame（フレーム内）コーデックとして設計されているため、H.264のような動画配信用コーデックよりも簡素化されています。

ProResのバリエーション

ProResには複数のバリエーションが存在し、それぞれ異なる用途に応じて設計されています。以下に代表的なものを挙げます。

1. ProRes 422
- 形式: 不可逆映像圧縮
- クロマサブサンプリング: 4:2:2
- サンプリング深度: 10-bit

2. ProRes 4444およびProRes 4444 XQ
- 形式: 不可逆映像圧縮
- クロマサブサンプリング: 4:4:4
- サンプリング深度: 最大12-bit
- 特徴: アルファチャンネルをサポートします。

3. ProRes RAW
- 形式: RAWイメージの品質を保持しつつ、ファイル容量を抑えた設計
- 特徴: フルクオリティの4KファイルをMacBook Proでリアルタイムに編集可能

ハードウェアとの連携

ProResを使用する際、ハードウェアのサポートも重要です。AppleのAfterburnerカードは、Mac Pro（2019年モデル）向けに設計され、最大6ストリームの8K ProRes RAWや最大23ストリームの4K ProRes RAWの再生が可能です。また、Arri AlexaカメラはProRes3344と全てのProRes 422バージョンをサポートし、高品質な映像を記録できます。他にも、AJAやAtomos、Blackmagic Designなどが提供する録画機器でもProRes形式での録画が可能です。

Appleシリコンによる高速化

2021年以降、Appleシリコン（M1 Pro, M1 Max, A15 Bionicなど）は、高速なProResエンコーダとデコーダをハードウェアに内蔵し、映像処理の効率を大幅に向上させました。これにより、M2 UltraはAfterburnerカード7枚分の性能を持ち、高度な映像編集が可能になっています。

関連項目

• - Final Cut Pro
• - iMovie
• - DaVinci Resolve
• - Adobe Premiere Pro
• - コーデック

プロレズは、その高い品質と効率性によって、映画や映像制作の現場で不可欠なツールとなっています。

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