Appleキー

Appleキー

Appleキーとは、1977年から1993年まで製造・販売されたApple社製パーソナルコンピュータ「Apple Ⅱ」シリーズのキーボードに搭載されていた、Appleロゴが印字された修飾キーを指します。

登場と進化

このキーは、シリーズ初期の初代Apple Ⅱには存在せず、改良モデルであるApple Ⅱeで初めて採用されました。Apple ⅡeおよびApple Ⅱcでは、「オープンAppleキー」（白抜きロゴ）と「ソリッドAppleキー」（黒塗りロゴ）の二つのAppleキーが搭載され、それぞれ特定の機能や操作に用いられました。

後継機種のApple Ⅱe with 10 KeyやApple Ⅱc plusでは、オープンAppleキーが単に「Appleキー」と称されるようになり、ソリッドAppleキーは名称を「オプションキー」に変更しました。この変更に伴い、オプションキーの印字はAppleマークから「option」の文字へと変わりました。

Macintoshコマンドキーとの関連

Apple Ⅱシリーズの中でも特別なのがApple Ⅱ GSです。このモデルは、他のApple Ⅱと異なりキーボードが分離型となり、当時Macintoshで使われていたApple Desktop Bus (ADB) Keyboardと共通化されました。これにより、Apple Ⅱ GSにおけるAppleキーは、Macintoshのコマンドキーと兼用の役割を担うことになります。このため、Apple Ⅱ GS Keyboardやその後のMacintosh用ADB Keyboardでは、キーボード上の当該キーにAppleロゴとMacintoshのコマンドを示すクローバー記号が併記される独特のデザインが採用されました。ソリッドAppleキーは、他の後継機種と同様にオプションキーとなりました。

Apple Ⅱ GSから始まったこのAppleマークとコマンドマークの併記というデザインは、長らくMacintoshのキーボードにおけるコマンドキーの標準的な表示となります。

コマンドキーにおけるAppleマークの廃止

しかし、この表示は2007年8月に登場した新しいApple Keyboardで変更されました。コマンドキーからAppleマークが廃止され、「command」という文字とコマンドマークが併記されるデザインに改められたのです。

この変更の背景には複数の理由があります。まず、Apple Ⅱシリーズの販売終了から年月が経過し、Appleマークを表示し続ける意義が薄れてきたことが挙げられます。Appleは、元Apple Ⅱユーザーへの配慮からAppleマーク表示を維持してきた側面があったとされますが、時代の変化に伴いその必要性は低下していました。さらに、Intel MacでBoot Campを使ってWindowsを利用するユーザーが増えるにつれて、WindowsのControlキーに相当するMacのコマンドキーが、Windowsユーザーにとって分かりにくいという問題が顕在化しました。こうした状況を踏まえ、Appleはより直感的にキーの役割が分かるよう、「command」という文字を明記する方針に転換したと言われています。

名称に関する注意

Macintoshのユーザーがコマンドキーを「Appleキー」と呼ぶことがありますが、厳密には「Appleキー」はApple Ⅱシリーズの特定のキーの名称であり、Macintoshのキーを指す正式名称は「コマンドキー」です。混同しないよう注意が必要です。

関連項目

Macintosh
Apple II
キーボード (コンピュータ)
オプションキー
* コマンドキー

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