AppleWin

AppleWinについて

AppleWinは、Microsoft Windowsオペレーティングシステム上で動作する、オープンソースのApple IIファミリー向けエミュレータです。オリジナルのApple II、II Plus、J-Plus、IIe、Enhanced IIeといった機種に加え、これらのクローン機体のエミュレーションに対応しています。これにより、過去にこれらのコンピューター上で動作していたソフトウェアやゲームを、現在のWindows PC上で実行できるようになります。

開発の経緯

このエミュレータの開発は、当初Mike O'Brien氏によって始められ、バージョン1.10.4が彼の最終リリースとなりました。その後、Tom Charlesworth氏が開発を引き継ぎ、精力的にバージョンアップが進められました。プロジェクトは長らくBerliOSオープンソース支援プロジェクトの下で管理されていましたが、2014年9月8日にリリースされたバージョン1.25.0.3を最後に、GitHubへの移管が行われました。

プロジェクトの移管と同時に、開発環境もVisual Studio 2008 Expressへ移行することが発表されました。このバージョンがWindows 98およびWindows Meを正式にサポートする最後のバージョンとなりました。さらに、2021年4月18日にリリースされたバージョン1.30.0.0では、開発環境がVisual Studio 2019に変更され、動作対象OSがWindows XP以降に限定されることとなりました。

対応する機能とハードウェア

AppleWinは、単に本体をエミュレートするだけでなく、様々な拡張機能や周辺機器にも対応しています。主要な機能としては、当時のモニターの色調を再現するカラーバースト切り替え（カラーまたはモノクロ）、80カラム表示、ダブルハイレゾリューション表示などがあります。

また、当時使われていた様々な拡張カードやインターフェースをエミュレートすることで、互換性を高めています。

ジョイスティック入力 (GAME I/Oポート)
RAM拡張カード (AUXスロット)
RAMworks III Card
スロット0
Apple 16K Language Card
Saturn 64K/128K RAM Card
スロット1
パラレルプリンターカード
スロット2
Apple Super Serial Card
スロット3
Uthernet Network Card (ネットワークカード)
スロット4
マウスインターフェースカード
Phasor サウンドカード
スロット5
Microsoft CP/M SoftCard (Z80カード)
Mockingboard C サウンドカード
スロット6
フロッピーディスクコントローラ
スロット7
ハードディスクコントローラ

さらに、No-Slot Clockと呼ばれる内部時計機能（Dallas SmartWatch DS1216）のエミュレーションもサポートしています。

その他の情報

AppleWinプロジェクトの関連情報として、Siella Gamesのウェブサイトでは、作者自身によってパブリックドメインとされたApple II版のアドベンチャーゲーム『ミステリーハウス』のディスクイメージが、AppleWin本体と一緒に配布されています。これにより、エミュレータをダウンロードするだけで、すぐに互換性のあるソフトウェアを楽しむことが可能です。

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