Aria (ストレージエンジン)

Ariaは、MySQLおよびMariaDBデータベースシステムで使用されるストレージエンジンの1つです。このストレージエンジンの主な目的は、従来のMyISAMエンジンを置き換える、より耐障害性に優れた代替手段を提供することにあります。Ariaは、特にデータベースの安定性とデータ整合性を向上させることを目標として設計されています。


開発は2007年に開始され、MySQLの創設者の一人であるMichael "Monty" Wideniusによって初めて公に発表されました。当初、このエンジンは"Maria"という名前で知られていましたが、2010年半ばに"Aria"に改名されました。名前の変更は、プロジェクトの成熟と目標の明確化を反映しています。


Ariaの主要な特徴の一つは、耐障害性の向上です。MyISAMがしばしば直面する問題に対処し、データ損失のリスクを減らすように設計されています。これは、特に高可用性を必要とする環境において重要です。ただし、初期段階では、Ariaはトランザクションを完全にはサポートしていません。トランザクションサポートは、データベース操作の整合性を保つために不可欠な機能であり、現在開発が進められています。


開発チームは、AriaをMySQLの標準ストレージエンジンにすることを長期的な目標としています。これにより、すべてのMySQLユーザーがデフォルトで、より堅牢で信頼性の高いストレージエンジンを利用できるようになることを目指しています。Ariaは、トランザクションの有無にかかわらず、幅広い用途に対応できることを目指しています。


Ariaの開発には、データベースのパフォーマンスと信頼性を向上させるためのさまざまな最適化が含まれています。これには、データの効率的な格納と取得、同時実行性の改善、およびリソース使用量の最適化が含まれます。これらの最適化により、Ariaはさまざまな種類のデータベースワークロードに対して優れたパフォーマンスを提供できる可能性があります。


関連するストレージエンジンとして、InnoDB、MyISAM、Falconがあります。InnoDBはトランザクションをサポートする堅牢なストレージエンジンとして広く使用されています。MyISAMはシンプルな構造で高速な読み取り性能を持つ一方、テーブルロックによる同時実行性の制限が課題です。Falconは、以前MySQLが開発していたが、現在は非推奨となっているストレージエンジンです。Ariaはこれらのエンジンからの教訓を生かし、将来的なデータベースシステムのニーズに対応することを目指しています。


Ariaは、MySQLエコシステムにおける重要な開発であり、データベースの信頼性とパフォーマンスを向上させることを目指しています。トランザクションサポートの追加など、今後の進展が期待されています。


参照情報

Aria (before known as Maria) : 外部リンク
The Maria engine is released - Michael Widenius著 : 外部リンク
* Maria: The new [MySQL]] Storage Engine - ウェイバックマシン（2011年5月20日アーカイブ分） - Google Videoより。Michael Wideniusによる講演: [外部リンク

もう一度検索