MariaDB

MariaDBとは

MariaDBは、MySQLから派生したオープンソースの関係データベース管理システム（RDBMS）です。MySQLのオリジナルコードの作者であり、MySQL ABの創設者でもあるミカエル・ウィデニウス氏によって、MySQLをフォークする形で開発がスタートしました。

歴史と特徴

MariaDBは、MySQLがオラクル社に買収されたことをきっかけに、そのコミュニティ主導の発展を維持するために立ち上げられました。初期のバージョンでは、MySQLの非商用版をベースに改良が加えられていましたが、バージョン10以降では、MySQLとの互換性を保ちつつ、独自の新機能が積極的に追加されています。

2018年には、Oracle Databaseからの移行を容易にするための互換機能が実装され、また、分散型MySQL互換データベースのClustrixを買収するなど、機能拡充と技術革新を続けています。さらに、有償顧客向けには、より高度な機能を提供するMariaDB Enterprise Serverも提供されています。

ストレージエンジン

MariaDBは、MySQLとほぼ同じストレージエンジンに対応していますが、独自のエンジンも搭載しています。主なエンジンは以下の通りです。

Aria: MyISAMをベースとしたストレージエンジン。以前はMariaという名称でした。
BLACKHOLE: データを保存しない特殊なエンジン。
InnoDB: トランザクション処理に強く、信頼性の高いエンジン。
Memory: データをメモリに保存する高速なエンジン。
Mroonga: 高速な日本語全文検索機能を提供するストレージエンジン。
MyRocks: RocksDBをベースとしたストレージエンジン。
Spider: データベースのシャーディングを自動化するエンジン。
MariaDB ColumnStore: 列指向のストレージエンジン。大規模なデータ分析に適しています。

データベース接続クライアント

MariaDBは、MySQLとの互換性が高いため、MySQL用に設計された多くのデータベース接続クライアントを利用できます。以下はその例です。

HeidiSQL
DBEdit 2 (オープンソース)
Navicat for MariaDB (プロプライエタリ)

採用事例

MariaDBは、多くのWebサービスやプラットフォームで採用されています。

英語版ウィキペディア、ドイツ語版ウィキペディア
Arch Linux, Fedora, openSUSE, Slackware, Red Hat Enterprise Linux, CentOS, DebianなどのLinuxディストリビューション
Google

これらの事例からもわかるように、MariaDBはMySQLの代替として、その安定性、性能、そしてオープンソースとしての柔軟性が評価され、広く利用されています。

まとめ

MariaDBは、MySQLとの高い互換性を保ちつつ、独自の機能拡張を続ける、オープンソースのRDBMSです。豊富なストレージエンジン、多くのクライアントツールとの互換性、そして活発なコミュニティサポートによって、多様なニーズに対応できるデータベースシステムとして進化を続けています。

参考情報

MariaDB Corporation
MariaDB Foundation

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