Bトレインショーティー

Bトレインショーティー：プラレールとNゲージをつなぐ鉄道模型

Bトレインショーティー（以下、Bトレ）は、2002年にバンダイ（現在のBANDAI SPIRITS）から発売された鉄道車両模型です。Nゲージの縮尺である1/150スケールを採用しながらも、車両の長さを60mm程度に短縮した「ショーティー」デザインが特徴で、子供にも大人にも人気の高い製品でした。

ディスプレイモデルとしての魅力

Bトレは、主にディスプレイモデルとして設計されています。射出成形によるプラスチック製で、着色済みのパーツを組み立てるキット形式が基本です（完成品も一部存在）。接着剤は不要のスナップフィット方式なので、手軽に組み立てられます。車体は側板、屋根、妻板、前面パーツを組み合わせる構造で、バリエーション豊かな車両を作成できます。各車両にはマグネットカプラーが付属し、簡単に連結できます。

パンタグラフは折りたたみ式で可動せず、台車の角度も固定されているため、可動部分は車輪の回転と連結器のわずかな可動に限られています。しかし、この簡略化された構造が、手軽に楽しめる魅力となっています。価格も1両あたり420円～630円と比較的安価に設定されており、多くのファンを獲得しました。

Nゲージ線路での走行

Bトレは、ディスプレイモデルとしての用途に加えて、Nゲージ線路で走行させることも可能です。鉄道模型メーカーの関水金属との協力により、同社のNゲージ用パーツをほぼ無加工で取り付けられる設計となっています。小型ボギー動力ユニットや小型台車などを利用することで、手軽に走行させることができます。バンダイ純正の動力ユニットや走行台車も発売され、より快適な走行を実現することができました。

ただし、すべての製品がNゲージ化に対応しているわけではありません。また、小半径カーブレールを使用する際などは、車両の安定性や集電に注意が必要です。

多彩なラインナップ

Bトレは、JR車両を扱う「通常版」を始め、私鉄車両、イベント限定品、セット販売品など、非常に多くのバリエーションが発売されました。通常版はブラインドパッケージでの販売でしたが、私鉄製品やセット販売品はオープンパッケージで販売されていました。また、特定のテーマに沿ったシリーズ展開も実施されました。例として、「山手線History」シリーズでは、歴代の山手線車両がラインナップされました。

「Bトレインショーティーエクスプレス」シリーズは特急車両、「BトレインショーティーJr.」シリーズは新幹線車両をモデル化したシリーズです。「Bトレインショーティー路面電車」シリーズは路面電車をモデル化し、通常版とは異なる細身のボディが特徴です。「ディスプレイモデルシリーズ」は、蒸気機関車など、動力化を想定しないモデルをラインナップしています。

さらに、車両だけでなく、ミニジオラマとセットになった「Bトレイン情景」シリーズや、カプセル玩具版の「Bトレインショーティーinカプセル」シリーズも存在します。

シリーズの終焉とその後

2018年10月、事業者限定商品を最後に新製品が発売されなくなり、事実上シリーズは終了しました。BANDAI SPIRITSは公式なアナウンスを行っていませんが、多くのファンに惜しまれつつ、その歴史に幕を閉じました。

まとめ

Bトレインショーティーは、手軽に楽しめるディスプレイモデルとして、またNゲージとの親和性が高い製品として、多くのファンを魅了しました。その簡潔な構造と豊富なバリエーションは、鉄道模型の世界への入り口として、そして、長年の愛好家のコレクションとしても、大きな存在感を示しています。現在では入手困難なモデルも多く、中古市場での取引も盛んです。

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