B43 (核爆弾)

B43は、アメリカ合衆国が開発・運用していた核爆弾であり、アメリカ空軍および海軍の爆撃機や戦闘爆撃機など、広範な機種への搭載を可能としていました。ロスアラモス国立研究所で開発され、1961年から1965年までの期間に1,000発が生産されました。

設計と特徴

B43には複数のサブタイプが存在し、それぞれ大きさに若干の差異が見られました。直径は約45cm、全長は約3.81mから4.15m、重量は約935kgから960kgとなっていました。核出力は可変式であり、70キロトンから1メガトンまでの範囲で調整可能でした。この柔軟性により、戦術目標から戦略目標まで、多様な状況に対応することができました。

B43はフルヒューズオプションを備えており、着発、レイダウン投下、空中爆発といった多様な起爆方式を選択できました。これにより、攻撃目標の性質や戦術状況に応じた最適な効果を得ることが可能でした。また、減速用のパラシュートも装備されており、航空機が安全圏に離脱するまでの時間を確保することができました。

運用と退役

B43は1972年から段階的に退役が進められ、1980年代には保管状態となりました。そして、1991年に完全に退役しました。これは、より高性能な核兵器の開発や、冷戦終結に伴う軍縮の流れを受けたものでした。

事故による紛失

1965年には、B43が1発事故により紛失するという事態が発生しました。これは、日本の南方海上を航行中の空母タイコンデロガから、B43を搭載したA-4攻撃機が海上に転落したことによるものでした。紛失したB43は回収されることなく、現在も深海に沈んでいると考えられています。

B43は、アメリカ合衆国の核戦略において重要な役割を果たした核爆弾であり、その開発と運用は冷戦期の緊張を象徴する出来事の一つと言えるでしょう。

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