B6 (商業施設)

b6 JINGUMAE（ビーロク じんぐうまえ）

b6 JINGUMAEは、東京都渋谷区に存在したユニークな商業施設で、2006年に開業し、2012年に閉館しました。この施設は、ジョイント・コーポレーションの関連会社であるエルカクエイによって開発されました。これまで都心での商業施設の開発に携わっていた同社にとって、b6は集大成ともいえるプロジェクトでした。

開発の背景とデザイン

建築家の西森陸雄が手がけた外観デザインが特徴で、施設の外壁は白いフレームを施した形状でした。商業エリアに排他的に位置するb6は、「自然との共生」というテーマに基づいて、回遊型の店舗配置が工夫されています。施設名の“b6”は、「ぶらぶら歩き」や「beat（わくわく、どきどき）」、そして「be Natural（自然に）」の最初の文字「b」、さらには神宮前の6丁目に由来しています。

施設内は、明治通りに面した“フォーラム”、店舗配置が特徴的な“ガレリア”、および広大な緑地を取り込んだ“ガーデン”の3つのエリアに分かれています。訪れる客が中に進むにつれて、自然との融合を感じられるようなデザインが施されています。特にアネックス館は外壁に特注のいぶし瓦や土壁を用いていて、洞窟や水路のある中庭が隣接しており、独特な魅力を放っていました。

サインシステムとテナント

b6では、施設内のサインもオリジナルで設計されており、各テナントには番号が割り当てられていました。これにより、訪問者はサインを頼りに目的の店舗へ容易に辿り着くことができます。このように新しい試みを取り入れたことで、回遊性を高める狙いがありました。オープン当初、39店舗がテナントとして入居しており、その中には日本初登場の店舗や新ブランド、業態も含まれていました。

しかし、年間売上目標の60億円には及ばず、2012年9月30日に閉館を余儀なくされました。

閉館後の展開

閉館後、b6の敷地は2013年1月に東急不動産が取得し、同年の4月から5月にかけてハイネケンビールの期間限定アンテナショップ『ハイネケン・スター・ラウンジ』として利用されました。6月には建物の解体が始まり、同年3月には新しい商業ビルのプロジェクトが発表されました。

その後、2014年2月には工事が着工され、最終的に2015年3月27日に“キュープラザ原宿”としてオープンしました。

b6 JINGUMAEの主なテナント

• - コロンビア・スポーツウェア: 国内最大の旗艦店舗
• - LUSH
• - トリンプ

b6はまた、様々なコラボレーション企画が行われていたことでも知られています。特に、ドラマ『のだめカンタービレ』とのコラボでは、施設内に「CAFE DE のだめ」を展開しました。また、AppBankが2011年から2012年の間に初のリアル店舗を出店したこともありました。

歴史の重要なタイムライン

• - 2005年: 工事着工
• - 2006年: 施設概要発表
• - 2006年10月: 開業
• - 2008年: 管理運営がアップ・ツー・コーポレーションに変更
• - 2012年: 閉館
• - 2013年: 東急不動産が取得し、期間限定営業
• - 2015年: “キュープラザ原宿”として新たにオープン

b6 JINGUMAEは、東京の商業施設の一つとしてユニークな存在であり、今も多くの人々の記憶に残る場所でした。

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