B83 (核爆弾)

B83核爆弾の概要

B83はアメリカ合衆国が開発した核兵器で、1979年から研究が始まりました。この爆弾はB77の開発計画を基に改良されたものであり、主に冷戦時代の核兵器の更新を目的としていました。B28、B43、B53など、以前に配備されていた核爆弾を置き換えるために設計されたB83は、その配備が1983年から始まり、1991年までに650発がアメリカ軍に配備されました。この背景には、核戦争の抑止力を高める目的がありました。

B83は、重水素と三重水素を使用した可変威力型の水素爆弾であり、運用は主に自由落下爆弾として行われます。敵のミサイルサイロなどの堅固な目標を攻撃するために特化して設計されており、冷戦後には地中貫通核爆弾としての研究もされました。これにより、今でも戦略任務及び戦術攻撃任務に柔軟に対応できる能力を持っています。

構造

B83の外形や構造は、B61核爆弾に似た設計です。弾体は鋼鉄でできており、衝撃力を高めるために特別にデザインされています。高空から投下される場合、最大でマッハ2の落下速度に達することができるため、目標への急速な接近が可能になります。また、投下後の爆発を遅れるようにパラシュートを取り付けている点も特徴の一つです。

起爆方式

B83の起爆高は調整可能であり、空中爆発、地表での爆発、及び地中貫通後の爆発など、多様なシナリオに対応できます。最大1.2メガトンの核出力を持つため、強力な攻撃力を発揮することができます。また、暴発のリスクを減らすために、爆縮レンズに用いる火薬には低感度爆薬のPBX-9502が使われています。

運用機

この爆弾は、アメリカ空軍のB-1、B-2、B-52などの爆撃機や、F-15E、F-16の戦闘爆撃機に搭載されます。さらに、アメリカ海軍のF/A-18やF-22にも搭載可能であり、アメリカ軍の主要航空機すべてで運用することができるのが特徴です。これにより、様々な戦闘状況に応じた運用が実現されており、B83は現代の核戦力の中でも重要な役割を果たしています。

B83は、冷戦期の軍事的緊張を反映した設計理念と技術の集大成です。今なお世界中で核兵器の抑止力として重要視されており、その存在は国際安全保障において不可欠な要素となっています。今後の軍事戦略におけるB83の役割にも注目が集まります。

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