BAD RHYME

NOBODYは、1980年代に人気を博した日本のロックバンドです。そのNOBODYが1992年11月28日に発表した9枚目のスタジオ・アルバムが『BAD RHYME』です。WEA MUSICからのリリースであり、ハミングバードから移籍後初の作品となりました。

『BAD RHYME』は、NOBODYのデビュー10周年を記念した企画として制作され、自身初となる2枚組アルバムとして発表されました。先行シングル「SUCH A SHAM」とそのカップリング曲「A WAY OUT」を含む、全20曲が収録されています。

アルバム全体を通して、バブル崩壊後の社会情勢に対するメッセージが込められた楽曲が多くなっています。メンバーの相沢行夫は、1980年代のようなラブストーリーを歌う時代は終わったと感じ、ニルヴァーナのようなオルタナティヴ・ロックが時代の最先端だと考えたと語っています。

Disc-1の『BAD RHYME I』は全英語詞で構成されており、1990年リリースのセルフカバー・アルバム『NOBODY SONGS』に引き続き、ティム・ジェンセンが担当しました。WEA本社の関係者がこの内容を気に入り、1993年には海外デビューの話も持ち上がりましたが、立ち消えとなってしまったようです。相沢は、この件に関してレコード会社への不信感を抱いていると述べています。

2023年9月20日には、ワーナーミュージック・ジャパンからタワーレコード限定で『BAD RHYME (+4) & DVD』がリリースされました。リマスタリングが施され、ボーナス・トラックとして収録曲のデモテープ音源が追加収録されています。また、「SUCH A SHAM」「A WAY OUT」「NEO BEATNIKS」のミュージック・ビデオと、1988年3月15日に渋谷公会堂で行われたライブ映像を収めたDVDが同梱されています。

音楽雑誌『CDジャーナル』は、アメリカのロックバンド、シュガーを例に挙げ、グランジ系のバンドとの共通点を見出せる面白さがあると評価しました。一方で、リズム・アレンジなどが多彩で上手すぎる点が気になるものの、信頼に足るポップなヘヴィ・ロックであると肯定的な評価を下しています。

収録曲

BAD RHYME I
1. THAT NIGHT
2. IS THERE NOTHING MORE
3. SHE DO IT TO GET OFF
4. NEO BEATNIKS
5. SUCH A SHAM
6. ALMOST HEAVEN
7. DON'T YOU CALL ME HICK
8. DON'T HAVE ENOUGH
9. A WAY OUT
10. CATCH ME

BAD RHYME II
1. BIG SHOW TIME (OVERTURE)
2. WELCOME INTO MY BRAIN
3. SUICIDE BLUES
4. ROLLING HEART
5. ONLY YOU
6. TOKYO DAYS
7. BLACKHOLE LAND
8. LAZY DINOSAUR (ダイナソーの夢)
9. THE SEVEN SINS (七つの罪)
10. HEY, GUITAR LOVERS

『BAD RHYME』は、NOBODYの音楽性の幅広さと、時代に対するメッセージ性を強く打ち出した作品と言えるでしょう。

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